宗猛

宗 猛（そう たけし）の生涯と業績

宗猛は1953年1月9日に大分県臼杵市で生まれ、日本を代表する陸上競技選手、特に長距離走とマラソンの分野で活躍しました。彼は、一卵性双生児の兄である宗茂や瀬古利彦と共に、1980年代前半の日本男子マラソン界を牽引した「ビッグ3」として知られています。引退後は指導者としても多大な影響を与え、現在は旭化成陸上部の総監督を務めています。

初期の競技生活

猛は中学時代から兄と共に陸上競技を始めました。地元の大分県内一周駅伝に出場し、早くから注目を集めました。学校の指導者が不在の中、自らの意志でトレーニングに励む姿勢は、後の彼の競技スタイルにも影響を与えています。高校では佐伯豊南高等学校に進学し、全国高校駅伝にも出場。3年生の時には、その走りで他の選手を圧倒しました。

プロ入りと国内大会

高校卒業後の1971年に旭化成陸上部に入部すると、彼の競技人生は本格的にスタートしました。初めてのマラソンとなった延岡西日本マラソンでは2位に入賞し、その後も数々の大会で成績を残します。1975年にはモントリオールオリンピックのプレ大会で6位入賞を果たし、国際的な舞台での実力を証明しましたが、翌年の毎日マラソンでの惨敗が影響し、オリンピック代表の座を逃します。

1980年代には多くの重要なレースで上位にランクインし、特に1983年には日本歴代2位のタイムである2時間8分55秒を記録し、瀬古に続く2位となりました。また、1984年ロサンゼルスオリンピックの代表として出場し、4位という素晴らしい成績を収めます。

競技から指導者へ

1987年、宗茂が引退した後も猛は現役を続け、長い選手生活を送りましたが、1996年に引退。引退後は旭化成陸上部で副監督から昇進し、2008年からは監督として後進の育成にも力を注ぎました。2014年には総監督に就任し、より広範な視点から陸上部門を支え続けています。

家族と人柄

猛は、競技者としてだけでなく、人間としても非常に高い評価を得ています。彼と茂は異なる特徴を持つミラー・ツインであり、その違いがトレーニングにも影響を与えました。猛は几帳面で努力家として知られ、「マラソンは練習より調整」との哲学を持ちながら、自ノスタイルを貫く兄弟の中で生き抜きました。また、家族も陸上競技に関与しており、二人の子供たちも競技経験を持っています。

主な業績と著書

彼の自己最高記録は2時間8分55秒であり、数々の著書も出版されています。中でも『振り向いたら負けや 茂と猛のマラソントーク』は兄との対談集として、多くの読者に親しまれています。もちろん、競技者としての彼の業績は日本陸上界の歴史に深く刻まれています。

宗猛のマラソンへの情熱とその指導者としての姿勢は、今なお多くの選手たちに影響を与え続けています。

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