定王 (周)

定王 (ていおう)

定王は、春秋時代の中国における周の王で、紀元前586年まで存命でした。彼の姓は姫、名は瑜です。定王の生涯は、政治の混乱や他国との外交など、歴史的な出来事に彩られたものです。

生涯の始まり

定王は周の王子として誕生しました。彼の兄、匡王が紀元前607年に亡くなると、定王はその後を受け継ぎ、周王として即位します。この時期は、周の王室が多くの課題に直面していた時代でもありました。

外交と戦争の時代

定王の治世の特徴の一つに、外交活動があります。紀元前606年、楚の荘王が大軍を率いて陸渾の戎を攻め、洛水にまで到達しました。この際、定王は王孫満を派遣し、荘王に対して周の九鼎の件を訊ねられましたが、王孫満は天命がまだ変わっていないと考え、詳細な返答を避けました。これにより、荘王は撤兵することとなりました。

さらに、紀元前603年には、定王が子服を斉に派遣し、王后を求めるという外交行為も行われています。冬に召桓公が斉から王后を連れて来たことが記録されています。

使者の派遣

紀元前600年には、定王はルー（魯）に使者を送り、仲孫蔑がその使節として周に赴いたというエピソードもあります。さらに1年後、定王は弟の劉康公を魯に派遣し、周王との関係を深めていきました。

内部調停

紀元前593年には、晋の景公が士会を周に派遣し、周王室内の紛争を調停する役割を果たしました。この時、定王は士会をもてなしており、当時の王室が内外の圧力に対処しようとしていたことが伺えます。

没落と後継

残念ながら、定王は紀元前586年の11月に死去し、彼の子、姫夷（簡王）がその後を継ぐことになります。定王の治世は周王室の歴史の中でも特筆すべき時代であり、彼の業績と外交的手腕は後世に多くの影響を与えました。

定王の治世は、春秋時代における国家間の競争や外交戦略の重要性を顕著に示しています。彼の政治手腕や外交政策は、周王室の存続に寄与したものと評価されています。

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