定順王后

定順王后宋氏について

定順王后宋氏（チョンスンワンフ・ソンシ）は、1440年に誕生し、1521年7月7日に亡くなった朝鮮王朝の重要な女性です。彼女は第6代王である端宗の妃として知られており、彼女の尊号、徽号、諡号は「懿徳端良斉敬定順王后」であり、陵号は「思陵」と呼ばれています。

生い立ちと王妃としての登場

宋氏は、平安南道の礪良府院君である正愍公宋玹寿の娘であり、母は驪興府大夫人の驪興閔氏です。端宗2年（1454年）1月22日、彼女は正式に王妃に冊封されました。しかし、この栄光も長くは続きませんでした。次の年、端宗が上王に降格されると、同年7月に彼女も「懿徳大妃」に昇進しました。

端宗との関係と悲劇

端宗の治世は不安定であり、彼女は夫の動向に翻弄される日々を送ることになりました。世祖3年（1457年）には、端宗の復位を企む死六臣の策が失敗し、端宗はさらに降等されることとなりました。その際、定順王后も夫に従い、同年6月に降等されました。この混乱の中で、清渓川の永渡橋は端宗と定順王后の別れの場所と言われており、「永久に渡った橋」という名がつけられています。

悲劇的なことに、夫婦には子どもがなく、端宗が亡くなった後、彼女は子どもがいない後宮女性たちが入る尼寺「正業院」で静かな生活を送りました。彼女の遭遇した運命は、当時の政治的な混乱や社会の変動に深く影響を受けたものでした。

追復とその後

粛宗24年（1698年）、端宗が追復されると、定順王后も名誉を回復されました。彼女の陵は京畿道南楊州市の真乾邑に位置する思陵であり、多くの人々に敬意を払われています。

家族構成

定順王后宋氏の家族に目を向けると、父である宋玹寿は尊敬される人物で、母は徹底した女子教育を受けた驪興閔氏でした。また、彼女の叔母である帯方府夫人は、世宗の嫡八男である永膺大君李琰の最初の妻です。義父は第5代国王文宗、義母は顕徳王后権氏です。これらの家族関係は、定順王后の人生にもさまざまな影響を与えたことでしょう。

定順王后宋氏の生涯を通じて、彼女は政治的な混乱の中でも優雅さと品位を保ち続けた女性でした。その影響力や存在感は、朝鮮王朝の歴史において重要な位置を占めています。

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