驪興閔氏

驪興閔氏の歴史と背景

驪興閔氏（ヨフンミンシ）は、朝鮮における氏族の一つであり、主に京畿道の驪州市を本貫としています。最初の文献においてこの一族は明確に記録されており、2015年の調査によれば、族員の数は約161,721人に上ります。この人口は韓国の多くの地域においては1%未満ですが、特に慶尚南道の山清郡では2.51%に達しています。

始祖とその足跡

驪興閔氏の始祖は、孔子の弟子である閔子騫の流れを汲む閔称道です。彼は元々中国の山東地方に住んでいましたが、高麗時代に使者として朝鮮に来て、驪興の地に根を下ろしました。驪興閔氏はその後、高麗から李氏朝鮮期にかけて、次第に影響力を増していきました。

特に李氏朝鮮の3代王太宗の妻である彰徳昭烈元敬王后を輩出したのは、この一族にとって重要な出来事でした。彼女の子孫たちは4代世宗以降もこの血統を受け継いでいきますが、驪興閔氏自身は17世紀末までの間、王朝の中で特に有力な家門とはならず、19代粛宗の妃仁顕王后を輩出するにとどまりました。

19世紀の動き

19世紀中ごろ、驪興閔氏から一人の女性が、王族の一員である李昰応の妻となりました。この女性は驪興府大夫人閔氏として知られ、彼女の次男である命福が26代高宗に即位します。李昰応は興宣大院君としても知られており、彼の栄光もまた、この一族と深い関係があります。

当時の朝鮮は外戚の影響を大きく受けており、特に安東金氏の圧力を排除する動きがあった時代でした。高宗は妃に驪興閔氏の閔致禄の娘を選び、閔妃（明成皇后）を迎え入れることで、外戚としての地位を強化しました。彼女は夫の政治的な立場を守るため、積極的に自らの一族を政治の重職に登用しました。このようにして閔氏は政権内部での影響力を確立しました。彼らの時代には「閔氏政権」と呼ばれる一時期が存在しました。

家派と現代の流れ

驪興閔氏にはいくつかの家派が存在します。例えば、大同行列、敦寧公派、櫟菴公派、恭穆公芝崖公派などがあります。これらの家派はそれぞれ異なる系譜を持ち、地域的なつながりを形成しています。

結論

驪興閔氏は、孔子の弟子に起源を持つ由緒正しい家系であり、特に李氏朝鮮期にはその存在感を増していきました。一族は王室と密接に関連し、数世代にわたる影響力を保ち続けました。今日でも驪興閔氏は韓国の中で重要な氏族の一つとして認識されています。彼らの歴史は、朝鮮社会における家族のダイナミズムや政治的な構造を理解するための貴重な手がかりを提供しています。

もう一度検索