尊号

尊号 (そんごう)

尊号とは、君主やその先祖、貴族、高僧などに与えられる称号で、社会的な評価や哀悼の意を込めて贈られるものです。このような称号は特に日本において重要な役割を果たしており、歴史に彩られたエピソードが多く存在します。

日本における尊号

日本では、尊号は主に天皇や皇族に関連する尊称、また諡号を指すことが一般的です。例えば、天皇と皇后に贈られる称号には、太上天皇や皇太后、太皇太后などがあります。歴史的には、758年に朝廷が孝謙天皇に「宝字称徳皇帝」の尊号を授けたことが初めての例として挙げられます。また、光明[[皇后]]には「天平応真仁正皇太后」が、聖武天皇には漢風の「勝宝感神聖武皇帝」と国風の「天璽押開豊桜彦尊」が贈られるなど、さまざまな称号が存在しました。

さらに、執筆時点で知られている最古の天皇号の贈与例としては、天平宝字2年（758年）に淳仁天皇の時代に草壁皇子に「岡宮御宇天皇」、翌年には淳仁天皇の実父である舎人親王に「崇道尽敬皇帝」が贈られた事例が挙げられます。天智[[天皇]]の子である志貴皇子は、彼の息子が光仁天皇として即位したことから「春日宮天皇」として名付けられました。

崇道天皇の尊号

鎌倉時代に入ると、後鳥羽上皇などが政治権力を取り戻そうとする動きの中で、尊号が再び重要視されました。後鳥羽上皇は、北条義時追討の院宣を発しましたが、幕府との合戦に失敗し、配流されることになりました。その際、後高倉院の院号が贈られるなど、政治的背景が尊号に影響を与えることも多々ありました。

室町時代以降の尊号

室町時代では、応永15年（1408年）には足利義満に対し太上法皇の尊号を贈ろうとしたが、世子の足利義持の辞退により実現しませんでした。また、文安4年（1447年）には貞成親王に「後崇光院」の院号が贈られましたが、翌年に親王はこれを辞退しました。

江戸時代には、光格[[天皇]]が実父にあたる閑院宮典仁親王に「太上天皇」の尊号を贈ろうとした際、幕府の反発を受けて大きな論争に発展しました。この出来事は「尊号一件」と呼ばれ、最終的には追尊が実現しませんでした。1884年に明治天皇が典仁親王に「慶光天皇」の尊号を贈ったのは、この一連の歴史的脈絡の中での出来事です。

関連項目

• - 追尊天皇
• - 尊号一件
• - 号
• - 称号
• - 君主号
• - 院
• - 諡号
• - 院号

これらの歴史的経緯や制度は日本の文化に深く根付いており、尊号という形で長年にわたり継承されてきたのです。

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