宝ヶ池通

宝ヶ池通：京都の東西を結ぶ動脈

宝ヶ池通は、京都市左京区を東西に貫く重要な道路です。白川通から岩倉幡枝地区まで続く直線区間と、そこから分岐し北山通へと至る、宝ヶ池トンネルと狐坂高架橋を含む複雑なルートから構成されています。

直線区間：発展する岩倉地域の幹線道路

幡枝大通りや上高野幡枝線とも呼ばれる直線区間は、地下鉄国際会館駅、同志社小学校・高等学校、国立京都国際会館といった主要施設が近接しており、マンションや商店が立ち並ぶ、活気のある街並みが形成されています。

特に注目すべきは、毎年冬に開催される全国高校駅伝競走大会と全国都道府県対抗女子駅伝競走大会の折り返し地点が、この区間にある国立京都国際会館への交差点に設けられている点です。多くのランナーと観客が行き交う、京都の冬の風物詩ともいえる光景が見られます。

道路幅は、白川通との交差点（岩倉街道幡枝交差点）から市バス岩倉操車場付近までは片側2車線と比較的広々としていますが、そこから幡枝の京都市道岩倉上賀茂線の交差点までは片側1車線に狭まります。交通量の増加に対応するため、道路拡幅などの整備が課題となっています。

分岐区間：狐坂高架橋と宝ヶ池トンネル

市バス岩倉操車場から分岐する区間は、かつては狐坂と呼ばれ、急なヘアピンカーブが特徴的な、岩倉実相院への路線バスも通る険しい坂道でした。しかし、2006年（平成18年）4月18日の狐坂高架橋完成により、京都市街地から国際会館へのアクセスが飛躍的に向上しました。

高架橋の建設にあたっては、景観への配慮も考慮され、北側に位置する五山送り火「妙法」の「妙」の字の山を望む視界を確保するため、橋桁の厚さを通常より2割削減するなどの工夫が凝らされています。

高架橋を含む分岐区間は、国際会館からの道路が合流する宝ヶ池トンネルの手前までは片側2車線ですが、トンネルから南側は片側1車線になります。しかし、岩倉地区から京都市内への交通量が多いことを考慮し、北山通との交差点には南行き右折レーンが長く設けられるなど、工夫が凝らされています。

狐坂は、かつて岩倉地区と下鴨地区を結んでいた八丁街道の一部であり、現在でもその痕跡をわずかに見ることができます。歴史と現代が交錯する、興味深い場所となっています。

その他の区間と沿道の施設

市バス岩倉操車場から北へ延びる区間は、都市計画道路上では宝ヶ池通とされていますが、一般の地図には記載されておらず、叡山電鉄と立体交差する地点を経て岩倉中通に接続します。

宝ヶ池通沿道には、同志社高等学校、地下鉄烏丸線国際会館駅、国立京都国際会館、ザ・プリンス 京都宝ヶ池（旧京都宝ヶ池プリンスホテル）、宝ヶ池公園、京都市宝ヶ池公園運動施設球技場、ノートルダム学院小学校、京都ノートルダム女子大学など、多くの教育・文化・レクリエーション施設が点在しています。また、五山送り火の一つである妙法の送り火もこの地域に位置し、秋の風物詩として親しまれています。

まとめ

宝ヶ池通は、歴史と現代が共存する、交通の要衝であり、かつ豊かな自然と文化施設に恵まれた、京都を代表する道路の一つです。今後も、交通量の増加や地域の変遷に対応しながら、その役割を果たしていくことが期待されます。

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