宝塚BOYS

宝塚BOYS

『宝塚BOYS』は、2007年に初演された演劇作品で、実際に存在した宝塚歌劇団の男子部をテーマにした物語です。この作品は逆境の中、夢を追い求める男性たちの姿を描きながら、宝塚特有の歌やダンスが随所にちりばめられています。物語は、終戦後の1945年に始まり、宝塚歌劇団に男子部が誕生する過程を描いています。

あらすじ

1945年、宝塚歌劇団に男子部が設立されました。これは、宝塚創始者の小林一三が構想していた「男女合同による国民劇」の実現を目指した実験的な試みです。男子部に集まったのは、様々な背景を持つ男性たちで、彼らは宝塚大劇場の舞台に立つ日を心待ちにしながら、日々の稽古に励みます。

しかし、女性だけの場所である宝塚では、彼らの存在に対し生徒やファンからの反発が根強くあり、大劇場への道は険しいものでした。彼らは自らの夢を追い続けられるのか、それとも厳しい現実に阻まれるのか、それが物語の大きなテーマの一つです。

登場人物・キャスト

作品のキャラクターは、2007年の初演版を基にしていますが、様々な俳優による多彩な演出が施されています。この男子部メンバーたちの芸名は、演じる俳優自身が考案したものであり、キャストが変わるたびに芸名が異なることも特徴です。

再演の際は基本の芸名が設定され、日によってアドリブを交えたユニークな名前で呼ばれることがあり、観客を楽しませました。

スタッフ

本作の原案は、辻則彦が「男たちの宝塚」を基にしています。脚本は中島淳彦、演出は鈴木裕美が担当しています。また、宝塚歌劇団の協力のもと、東宝・東宝芸能の共同製作により、さまざまな公演が行われてきました。特に、公演された劇場は経験豊富な場所で、ル・テアトル銀座やシアタークリエのような名所が選ばれています。

エピソード

初演の際、ピアノを演奏するシーンは柳家花緑による生演奏で、劇中の音楽も観客に感情の高まりを与えました。また、ラストシーンでは宝塚の終演後に流れる音楽が流れ、作品に深い余韻を持たせました。

81年の歴史の中のほんの9年（1945年から1954年）の男子部の実話を交えているものの、劇中では具体的な年数が示されることはありません。その代わりに美空ひばりの音楽が使われており、当時の時代背景を感じさせる工夫が施されています。稽古場でのシーンに使われる台本は『青き春』からの引用されており、宝塚作品とのつながりも持っています。

このように『宝塚BOYS』は、実在の出来事を基にした感動的な物語で、夢を追う男性たちの姿と、彼らが直面する現実の葛藤を描いています。観客は笑いと涙を交えながら、彼らの物語に引き込まれることでしょう。

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