鈴木裕美

鈴木裕美は、1963年12月30日生まれの日本の劇作家、演出家です。彼女は、日本女子大学家政学部住居学科在学中の1982年に、飯島早苗らと共に劇団「自転車キンクリート」を立ち上げました。この劇団では、飯島が脚本を、鈴木が演出を担当し、数々の作品を生み出しました。

劇団結成のきっかけは、高校時代の演劇部の先輩であった大石静が永井愛と劇団「二兎社」を設立したことに触発され、「自分にもできるのではないか」と感じたことだと語っています。

鈴木の主な演出作品には、1987年の『水に絵を描く』や1992年の『ソープオペラ』などがあります。特に1994年に飯島早苗との共同脚本で制作された『法王庁の避妊法』は、大きなヒット作となりました。彼女は「自転車キンクリートSTORE」を含め、ほとんどの公演で演出を手掛けています。

現在では、小劇場から大劇場まで、ストレートプレイからミュージカルまで、多岐にわたるジャンルの作品を精力的に演出しています。2011年には、個人ユニット「鈴木製作所」を設立し、活動の幅をさらに広げています。

また、鈴木は2002年から2007年まで、NHK-BS2の深夜演劇番組『深夜劇場へようこそ』で、林あまりと共に司会を務めていました。2014年からは、OMS戯曲賞の選考委員も務めています。

彼女の演出作品は非常に多岐にわたり、1982年の『荒野の貧乏性』から始まり、『水に絵を描く』、『ソープオペラ』、『法王庁の避妊法』といった代表作のほか、『ピーターパン』や『奇跡の人』など、名作の再演も数多く手掛けています。近年では、『ミュージカル マリー・キュリー』や『ミュージカル アンドレ・デジール 最後の作品』など、新たなミュージカル作品にも挑戦しています。さらに、『宝塚BOYS』のように、何度も再演される人気作品も多く、彼女の演出家としての力量が伺えます。

鈴木の功績は数々の賞によっても認められており、2000年度には紀伊國屋演劇賞個人賞と読売演劇大賞優秀演出家賞、2002年度にはバッカーズ演劇奨励賞を受賞。2007年度には千田是也賞、読売演劇大賞優秀演出家賞、菊田一夫演劇賞、ミュージカル・ベストテン演出家賞を、2010年度には読売演劇大賞優秀演出家賞と芸術選奨新人賞演劇部門を受賞しています。これらの受賞歴は、彼女の演出家としての卓越した才能を証明しています。

著書としては、飯島早苗との共著『ソープオペラ』や『法王庁の避妊法』のほか、『蠅取り紙 - 山田家の5人兄妹』などがあります。これらの著作からも、彼女の演劇に対する深い洞察と情熱が感じられます。

鈴木裕美は、日本の演劇界において、重要な役割を果たしている人物であり、その才能と情熱は、今後も多くの人々に影響を与え続けることでしょう。

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