宝蔵寺久雄

宝蔵寺久雄の生涯と業績

宝蔵寺久雄（ほうぞうじ ひさお、1889年10月28日 - 1940年2月26日）は、日本の陸軍において重要な役割を果たした軍人であり、最終的には陸軍中将に昇進しました。彼の人生は、戦前の大日本帝国陸軍の航空部隊の発展と密接に関連しており、多くの著作にその専門知識が反映されています。

経歴

宝蔵寺は、佐賀県に生まれました。彼の家系には海軍大佐であった永石光次がいるなど、軍事的な関わりの強い一族に育ちました。1911年、宝蔵寺は陸軍士官学校第23期を卒業し、陸軍砲兵少尉として任官されました。彼の軍歴は砲兵から始まりましたが、その後の進路において航空技術への熱意を示し、1918年に陸軍大学校に入学。1921年には同校を卒業し、航空兵への転科を果たしました。

その後のキャリアでは、1934年から陸軍大学校の教官を務め、翌年には浜松陸軍飛行学校の教官として航空教育に携わりました。1936年には飛行第10連隊の指揮を執り、1938年には第7飛行団長となります。彼の指導のもと、飛行団は様々な訓練を通じて航空戦術の向上に貢献しました。しかも1939年には白城子陸軍飛行学校の校長に就任し、ますますその地位を固めていきました。

最期

1940年2月25日、宝蔵寺は公務のために満州から東京に向かう途中、京都府の大住村付近で飛行機が墜落する事故に遭遇します。この事故により彼と5名の搭乗者が命を落とし、翌日、彼は殉職しました。彼の死後、特進して中将に昇任し、軍歴を全うしました。

著作

宝蔵寺は軍人としてのキャリアに加え、数著作を残しています。特に『砲兵戦術講授録 応用之部』では、彼の軍事的な見識を披露しており、戦術研究にも意義ある貢献を果たしています。また、満洲国を訪れた際の記録として『海鼠は祈る : 満洲国旅行記』や、ヨーロッパ旅行についての記録『欧洲旅行記』も出版されています。これらの著作は、彼の経験や見識が反映された重要な資料といえるでしょう。

家族

宝蔵寺の家族には、彼の娘婿である朝枝繁春が陸軍中佐として活動していたことでも知られています。家族の中でも軍事的な伝統が受け継がれていたことが窺えます。

彼の人生と業績は、日本の陸軍航空部隊の発展に寄与し、今後の軍事教育や航空技術における基盤を築いたと評価されています。

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