実体特許法条約

実体特許法条約（Substantive Patent Law Treaty: SPLT）

実体特許法条約は、世界の特許制度における実体的な側面の国際的な調和を目的とした条約です。この条約は、特許制度の根本的な要件である先願主義や新規性、進歩性といった基本的概念に焦点を当てています。特許法条約が特許手続きの方式的な部分に関する国際的な制度調和を目指しているのに対し、実体特許法条約はより深い実体的な問題へと踏み込んでいるのが特徴です。

経緯

特許制度の国際的な調和の必要性は、工業所有権の保護にかかわるパリ条約が制定されて以来、常に存在してきました。国際経済活動の活発化に伴い、各国の特許制度の整合性を高める必要性が増してきました。その結果、1975年に各国は特許制度の調和に向けた新しい条約の検討を開始しました。

1991年には外交会議が開催されましたが、その際、アメリカが先発明主義に固執したため、条約の採択は困難となりました。その後、議論は比較的対立が少ない方式的な側面に限定されることとなり、2000年には特許法条約が誕生しました。この特許法条約は特許手続きの国際的な調和を目指していますが、それを受けて実体的な側面に関する議論も再び浮上してきました。

実体特許法条約の検討は、世界知的所有権機関（WIPO）の特許法常設委員会において行われていますが、近年では先進国と途上国との間の対立が深刻化しており、議論の進展は停滞気味です。このような状況下において、特許制度の特に実体的な部分に関して国際的な合意を得ることは依然として難しい課題となっています。

関連項目

特許法に関連する他の重要な条約や文書が存在し、それぞれが特許制度の異なる側面に焦点を当てています。

• - 特許法条約: 特許手続きの方式的側面を調整することを目的とした条約。
• - 工業所有権の保護に関するパリ条約: 工業所有権全般の保護を目的とする国際条約。
• - 世界知的所有権機関（WIPO）: 知的財産権に関する政策の調和を図る国際機関。

参考リンク

他にも、実体特許法に関する資料や研究があります。詳細については、WIPOのウェブサイトや公開されている資料を参照することができます。

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