実況パワフルプロ野球3

『実況パワフルプロ野球3』は、1996年2月29日にコナミから発売されたスーパーファミコン用野球ゲームソフトです。本作は、後のシリーズで人気を博すサクセスモードが初めて搭載された作品として知られています。

概要

サクセスモードの初登場に加え、アレンジチーム枠が大幅に増加し、14チームまで設定可能になりました。これにより、ペナントモードやリーグモードにおいて、チームを全て入れ替えてプレイするといった楽しみ方も可能になりました。

実況は、前作の太田元治氏から安部憲幸氏に変更。安部氏は、携帯機向けの作品を除き、『実況パワフルプロ野球2002春』まで実況を担当しました。また、『ベーシック版'98』では、プロ野球脱税事件に関与した選手が登録されておらず、サクセスモードも搭載されていません（パスワードを使用することで、前作で作成した選手を登録することは可能です）。

ゲーム内容

対戦モード
キャンプモード
サクセスモード
新人モード
サウンドモード
ペナントモード
リーグモード
シナリオモード
アレンジモード

サクセスモード

サクセスモードでは、プレイヤーは新人プロ野球選手として球団に入団し、二軍での練習を通して能力を向上させ、一軍を目指します。一軍に昇格した時点でゲームクリアとなります。本作では、野手のみ育成可能で、投手の育成はできません。

ゲームは2月のキャンプインから始まり、最初から彼女がいる場合もあります（特殊能力「サヨナラ男」と引き換えに別れることも可能です）。3年目の契約更改時に一軍に昇格できなければ解雇され、ゲームオーバーとなります（途中で解雇される場合もあります）。

ドラフト上位で入団し、オープン戦で好成績を収めると、そのまま一軍昇格でクリアとなる場合もありますが、その場合は能力があまり成長しません。そのため、能力の高い選手を育成するには、育成期間をいかに長く確保するかが重要となります。また、後のシリーズでは表示されるタフ度や故障率が表示されず、体調も5段階の調子アイコンでしか表示されないため、練習計画が立てにくいという特徴があります。

育成した選手はアレンジモードで使用できます。ただし、登録人数の上限である8人を超えた場合は、選手を削除しないと登録できません（パスワードを使えば、削除後に再登録できます）。選手を削除する場合は、アレンジモードで作成したチームに所属していない状態である必要があります。そのため、アレンジチームの野手を全てサクセスモードで育成した選手で構成することはできません。

本作で作成した選手のパスワードは、『実況パワフルプロ野球'97開幕版』や『実況パワフルプロ野球S』と互換性があり、両作品で使用できます。

使用できる球場

グリーンスタジアム神戸
千葉マリンスタジアム
西武ライオンズ球場
福岡ドーム
藤井寺球場（3および96開幕版）
明治神宮野球場
広島市民球場
東京ドーム
横浜スタジアム
ナゴヤ球場（3および96開幕版）
阪神甲子園球場
大阪ドーム（97春以降）
ナゴヤドーム（97春以降）

開発

『実況パワフルプロ野球2』でゲームとしての一応の完成を見たため、開発陣は新しい遊びを模索しました。当初は選手の一生を題材とすることも検討されましたが、開発スタッフが他のプロジェクトに駆り出されたため、一軍昇格をゲームのゴールとすることになりました。また、広島カープの二軍制度や、『ときめきメモリアル』のヒットが、サクセスモードのヒントになったとされています。

豊原浩司氏によれば、サクセスモードのシステム面においては、当時開発チームが好きだった『トルネコの大冒険 不思議のダンジョン』も参考にされたとのことです。

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