実用新案権

実用新案権とは

実用新案権は、特に物品のデザインや構造、またはその組み合わせに関連する創作に対し、独占的に実施する権利を指します。この権利は日本の「実用新案法」に基づいて規定されており、発明を保護する特許権とは異なる特徴を持っています。

実用新案権の成立要件

実用新案権が成立するためには、いくつかの条件があります。まず、自然法則に基づく技術的な思想である必要がありますが、特許に比べて「高度」や「精緻な」創作は必須ではありません。具体的には、物品の形状や構造、そしてその組み合わせに関する考案でなければなりません。このため、実用新案権は比較的身近なアイデアや工夫に対しても適用される可能性があります。

存続期間

実用新案権の存続期間は、出願日や登録日によって異なります。以下のような規定があります：

• - 2005年4月1日以降：出願日から10年間有効。
• - 1994年1月1日から2005年3月31日まで：出願日から6年間。
• - 1988年1月1日から1993年12月31日まで：登録日から10年間、かつ出願日から15年を超えない範囲。
• - 1905年から1987年まで：登録日から6年間。

これにより、実用新案権は比較的短期間の権利として制度化されており、新たな技術の登場に迅速に対応できる仕組みとなっています。

実用新案権の行使

実用新案権は、平成5年の法改正により、設定登録されることによって権利が生じます。権利者はその権利によって、対象となる考案を業として行使することができます。しかし、権利を行使するためには「実用新案技術評価書」を提示する必要があります。この書類は技術的な評価を示すものであり、権利行使の際に必要不可欠なものです。

さらに、権利の行使後に公知技術が明らかになり、その結果として登録実用新案が無効審決となった場合、権利行使者が損害賠償責任を負う可能性があります。実用新案権の行使にあたっては、責任を回避するために慎重な調査や検討が望まれます。この損害賠償責任は、権利者に過失がないことを証明できない限り免責されないため、注意が必要です。

参考資料

実用新案権についてさらに詳しく知りたい方は、特許庁の公式サイトやコトバンクなどの信頼できる情報源を参照してください。これらのリソースでは、実用新案権に関連する最新の法改正や判例も確認することができます。

もう一度検索