実録!犯罪列島

『実録!犯罪列島』（じつろく!はんざいれっとう）は、TBS系列（一部の系列局を除く）で不定期に放送されるドキュメンタリーおよび情報特別番組です。

概要

この番組は、日本国内で発生する様々な犯罪の実態や背景に深く切り込み、その検証を行うことを主な目的としています。特に、既に起きた事件や未解決となっている事件に対し、多角的な視点からの検証を試みています。番組では、犯罪捜査や事件解決の最前線で活動する専門家たちに焦点を当て、彼らの知られざる活動に密着します。対象となるのは、特別司法警察職員（通称Gメン）のような公的捜査に関わる人々から、私立探偵や弁護士など、様々な立場で事件に関わるプロフェッショナルたちです。彼らへの密着取材を通して、事件の真相や解決に向けた道のり、そしてそこに携わる人々の困難や情熱を描き出します。

『実録!犯罪列島』は、過去に放送されていた二つの異なる特別番組、『テレビ公開大捜査SP あの未解決事件を追え!』と『大都会最新犯罪ファイルSP』が統合される形で生まれました。これにより、未解決事件の追跡という要素と、現代社会における多様な都市型犯罪の分析という要素を組み合わせ、より幅広い視点から日本の犯罪事情に迫る番組として構成されています。

取り上げた主な事件

番組ではこれまで、社会的に大きな注目を集めた事件や、未解決のまま時が経過している事件など、多岐にわたるケースを取り上げてきました。具体的には、名古屋市西区主婦殺害事件（未解決）、逗子ストーカー殺人事件、尼崎連続変死事件といった、日本各地で起きた様々な種類の犯罪について、独自の視点から検証や関係者への取材を行っています。

番組形式と出演者

番組の放送開始当初は、スタジオでの出演者による進行や解説を一切設けず、現場取材の映像のみで構成される完全なドキュメンタリー形式が採用されていました。これにより、視聴者はより臨場感をもって事件や捜査の現実に触れることができました。

しかし、後の放送回ではスタジオパートが設けられるようになり、番組の内容を深掘りするためのMC、進行役、ゲストが登場する形式に変化しました。MCは小倉智昭氏が務めました。進行役としては、TBSアナウンサーの安東弘樹氏や江藤愛氏が担当しました。ゲストには、SHELLY氏や法律家の大澤孝征氏、タレントの佐藤仁美氏、藤本美貴氏、若槻千夏氏などが回替わりで出演し、専門的な見解や多様な視点からのコメントが加えられました。

番組の内容を視聴者に分かりやすく、あるいはドラマチックに伝える役割を担うナレーターには、屋良有作氏、立木文彦氏、杉本るみ氏、大塚芳忠氏といった、多くの人気作品で活躍するベテラン声優陣が参加しています。

制作体制と協力

『実録!犯罪列島』は、ジッピーやTBSといった制作主体によって手掛けられています。番組のクオリティは、構成作家による緻密なシナリオ、編集、MA（マルチオーディオ）、画像処理、音響効果、CG制作、イラストレーターといった多岐にわたる専門スタッフの技術によって支えられています。特に、現場の映像を効果的に見せるための編集や画像処理、そして臨場感を高める音響効果などは、ドキュメンタリー番組において重要な要素となります。ロケ技術チームは、様々な現場での撮影を担当しました。

また、番組制作にあたっては、多くの外部機関からの協力が不可欠でした。法律事務所や探偵事務所といった民間の専門機関に加え、愛知県警察本部や群馬県警察本部のような公的機関からの協力も得ながら、事件の検証や取材が行われました。過去には、湘南フィルムコミッションなどの地域協力団体や、多種多様な企業、さらには個別の法律事務所や探偵事務所からの協力も得ており、その取材範囲の広さを示しています。

実録!犯罪列島