客星

客星（かくせい、きゃくしょう）とは

客星とは、それまで観測されていなかった場所に突然現れ、一定期間が経過すると再び見えなくなる星のことです。この言葉は、古代中国の天文記録に記された言葉を翻訳したものです。現代天文学では、客星は新星や超新星などの激変星であると考えられていますが、古代の文献に記録されている現象が具体的にどの天体現象を指しているのかが不明確な場合、現在でもこの言葉が用いられます。

古代中国における客星

古代中国の天文学では、客星は「新しい星」の3つのタイプのうちの1つとして認識されていました。残りの2つは、現代でいうところの彗星にあたります。客星という言葉が記録された最も古い文献は、漢時代の歴史書である『漢書』に含まれています。

古代ヨーロッパの記録との比較

古代ヨーロッパの文献における超新星と考えられる最も古い記録は、中国で記録されたSN 185と同一の現象を指している可能性が指摘されています。しかし、その記録は曖昧な部分が残っています。

また、有名な超新星であるSN 1054（かに星雲の起源となった超新星）が、なぜヨーロッパの記録に現れていないのかについては、現在も議論が続いています。

客星に関するまとめ

客星は、古代の天文学において重要な役割を果たした概念です。現代天文学の知見によって、その正体は新星や超新星などの激変星であることが解明されています。しかし、古代の記録には不明な点も多く、今後の研究によってさらなる解明が期待されています。

客星という言葉は、古代の天文学と現代の天文学を結びつける上で、重要なキーワードと言えるでしょう。古代人が夜空に現れた突発的な星の出現に驚き、それを記録として残したことは、人類が宇宙に対する探求心を抱き続けてきた証左でもあります。

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