隠密剣士

隠密剣士（おんみつけんし）

『隠密剣士』は、1962年10月7日から1965年3月28日までTBS系『タケダアワー』で放送された全10部からなる時代劇です。主演の大瀬康一が演じる秋草新太郎は、江戸幕府の隠密として忍者集団との戦いを繰り広げ、忍者ブームの火付け役ともなった本作は、後に映画化されるなど多彩な展開を見せました。

概要

本作は、天明7年から寛政2年にかけての江戸時代を舞台に、徳川11代将軍・家斉の異母兄、松平信千代が秋草新太郎として名前を変え、市民の平安を守るために公儀隠密として活動する姿を描写します。当初、子供向けに作られた作品でしたが、徐々に大人の視聴者も獲得し、視聴率40%近くを記録しました。

物語の流れ

物語は第1部が蝦夷編となっており、アイヌ人と和人の葛藤が描かれますが、初回の視聴率は芳しくなく、次第に忍者との対決にシフトします。この戦いによって、作品は大きな人気を博し、視聴者層が広がる結果となりました。本作で描かれる忍者達や忍術は、脚本家・伊上勝のアイデアが多く取り入れられており、後の時代劇や忍者関連作品にも影響を与えました。

主なキャラクター

• - 秋草新太郎: 主人公であり、松平信千代。剣術の達人で、公儀隠密として全国を旅し、平和を乱す忍者集団と戦います。
• - 霧の遁兵衛: 伊賀同心として新太郎を援助し、共に敵と立ち向かいます。
• - 馬場周作: 秋草の配下で、活発で機知に富んだ少年。成長と共に様々な冒険を共にします。

これらの人物たちが織り成すドラマは、時代劇という枠を超えて、多くの視聴者に感動を与えました。

海外での人気

本作は海外でも「ザ・サムライ」という名で放送され、特にオーストラリアや東南アジアでは絶大な人気を誇りました。1964年の放送以降、大瀬康一がイベントで訪れると、ファンがメルボルンの空港に7千人も押し寄せたというエピソードもあります。番組の商品は売上が全盛期で10億ドルに達し、以降20年以上も再放送されました。

続編とリメイク

『隠密剣士』の成功を受けて、1965年には続編である『新隠密剣士』が制作され、さらに1973年から1974年にかけてリメイクされた『隠密剣士 突っ走れ！』も放送されました。これらの作品も前作の人気を受け継ぎ、視聴者を魅了しました。

このように『隠密剣士』は、忍者というテーマを鮮烈に描くことで日本のテレビ時代劇界に名を刻み、今もなお多くのファンに愛され続けています。

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