室田伊緒

室田伊緒のプロフィールと棋歴

室田伊緒（むろた いお）は、1989年5月24日生まれの日本の女流棋士で、現在は日本将棋連盟関西本部に所属しています。彼女の女流棋士番号は35で、2011年3月31日までは59でした。愛知県春日井市で育ち、富山県砺波市で生まれました。将棋の師匠は杉本昌隆八段です。彼女は愛知県立春日井南高等学校を経て、愛知淑徳大学を2012年に卒業しています。

将棋との出会い

室田の将棋との出会いは彼女が小学5年生の時、弟が大会に参加するのを見守っていたことから始まりました。春日井支部長に「お姉ちゃんも一緒に指そうよ」と誘われ、参加賞の鉛筆を見て参加を決意しました。当初はピアノや水泳、英会話、書道などを習っていましたが、将棋に魅了され、半年後には他の習い事を辞めて本格的に将棋を学び始めました。

2004年には第36回女流アマ名人戦で優勝し、その後第42期赤旗名人戦にも出場し、男性のトップアマと戦った経験を持つ彼女は、同大会で女性トップの進出者として歴史に名を刻んでいます。同年、女流育成会に入会すると、急速に成績を上げ、翌年には女流2級としてプロ入りを果たします。

プロ入り後の活躍

プロ入りからの室田は、さまざまな著しい成績を残しました。2005年度には、第17期女流王位戦で本戦リーグに進出し、プロ入りから僅か半年後の2006年には女流1級に昇級しました。2007年度には計12勝4敗を収め、再び昇級規定を満たし、女流初段に昇進しました。

その後の成績も良好で、2014年には女流二段に昇段。さらには2024年度の第18期マイナビ女子オープンでは、女流三段に昇段するという快挙を達成しました。これらの成績は、彼女の将棋に対する情熱と努力の賜物であると言えます。

棋風とスタイル

室田伊緒の得意な戦法は四間飛車であり、彼女は『将棋世界』に連載されたコーナー「伊緒の振り飛車レッスン」でその技術を伝授していました。この連載は、将棋ファンにとって非常に人気の高い内容であり、彼女の指し手の理解を深めるものとなっています。

人物像と家庭

女流棋士としての活動に加え、室田は多くの公の場にも顔を出しています。彼女は2008年から2009年にかけて、NHK将棋講座で聞き手を務め、その後は日本将棋連盟の棋士会副会長を任されました。彼女の愛称は「女帝」であり、これは糸谷哲郎が提唱したものです。彼女は藤井聡太の姉弟子としても知られており、以前は彼に「そうちゃん」と呼びかけていたそうです。

私生活においても、室田は囲碁棋士の井山裕太と結婚しましたが、2016年に離婚。その後、新たに2022年4月に毎日放送のアナウンサーと結婚しました。この言動からも、彼女はバランスの取れた生活を送っている様子が窺えます。

地元活動と社会貢献

地元春日井市には長年住んでおり、地域振興のために「かすがい『人・夢創り』文化スポーツ大使」を務めるなど、地元貢献にも力を入れています。また、広報大使としても活躍しており、藤井聡太と共に将棋イベントを開催するなどして、将棋の魅力を地域に広めています。

室田伊緒は、将棋界での立ち位置を確立しつつ、地域社会への貢献も忘れない素晴らしい女性棋士です。この先の活動にも期待が寄せられています。

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