宥清寺

宥清寺の概要

宥清寺（ゆうせいじ）は、京都市上京区にある本門佛立宗の本山であり、関西最古の日蓮宗系の寺院として知られています。かつては青柳山と呼ばれていましたが、現在は本門佛立山として知られています。境内には本尊として十界大曼荼羅が祀られています。

寺の歴史

宥清寺の創建は延慶元年（1308年）に遡ります。当時、僧侶の日弁が上洛し、藤原定家の子孫であった禅僧の日寿を折伏する際に、定家の旧邸が寺院に転用され、宥清寺が創建されたとされます。このように、宥清寺は日蓮門下の中でも、関西地区で最初に建立された寺院の一つです。

その後、応仁の乱の影響を受けて、寺は丹波国亀山へ一時移転しましたが、慶長4年（1599年）には再び京都に戻っています。1694年に元々比叡山横川にあった末寺を入手し、宥清寺として本門寺の寺基が移され青柳山宥清寺となり、その後妙蓮寺の末寺となりました。

万延元年（1860年）、日耀が宥清寺に入居した後、文久3年（1863年）に彼が遷化すると、寺は荒廃しました。しかし、1869年には開導日扇聖人がこの寺を学問所として利用し始め、後に佛立修学所と名を改め、次第に寺は復興を遂げました。1931年には本堂が再建され、当時の信者の要望に応える形で整備されていきました。

1946年、本門佛立講が本門法華宗より分離独立し本門佛立宗として新たに成立しました。そして、宥清寺は本門佛立宗の唯一の本山としての地位を持ち続け、本門佛立宗の根本道場として知られるようになりました。また、寺の西側には京都佛立ミュージアムがあり、詳細な宗教関連の歴史を学ぶことができます。

境内の特徴

宥清寺の境内には多くの重要な建物や文化財が存在します。1931年に再建された本堂や、庫裏、教務寮などが整備されており、信者や訪問者が快適に参拝できる環境を整えています。また、日扇聖人の像や宗門納骨堂も存在し、さまざまな供養の場として機能しています。

特に重要文化財として認定されているのが、木造日蓮坐像です。この像は鎌倉時代に制作されたもので、高さは47.6cm。日蓮の肖像彫刻としては史上最古のもので、寺の伝承によると日法がこの像を彫る際、日蓮自身が魂を入れたとされています。像は檜材を用いて寄木造の技法で作られており、目には水晶の玉眼が嵌め込まれています。その表面には布が一面に貼られ、漆塗装が施されて美しく仕上げられています。このような技術の高さが鎌倉時代の特色を反映しており、特に祖師像としての理想化が表れている点から、鎌倉時代の末期の作品と見なされています。

アクセス情報

宥清寺へのアクセスは便利で、京福電気鉄道の北野線「北野白梅町駅」から徒歩約12分、また京都市バス「北野天満宮前」から徒歩約5分の距離に位置しています。近年多くの人々が訪れ、歴史や宗教に触れられる貴重なスポットとして、参拝者や観光客に親しまれています。

まとめ

このように、宥清寺はその歴史的な背景や文化財の豊かさからも、日本の仏教文化を知るための重要な拠点となっています。訪れる人々にとって、心を落ち着け、宗教的な学びを深める素晴らしい場所です。

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