宮上茂隆

宮上茂隆 — 日本建築史の巨星

宮上茂隆（みやがみ しげたか）は、日本の建築史に大きな足跡を残した研究者であり、1940年7月26日に生まれ、1998年11月16日に逝去しました。彼は奈良時代の寺院から江戸時代の城郭まで幅広い建築分野での研究や復元設計を手がけました。

生い立ちと学問の道

宮上は東京小石川で華道家元の子として誕生しました。彼は1964年に東京大学工学部建築学科を卒業し、1966年には同大学の大学院修士課程を修了しました。その後、1968年に東京大学工学部建築学科の助手に就任し、1980年までそのポジションに留まりました。1979年には「薬師寺伽藍の研究」という題の論文により工学博士の学位を取得しました。

専門的業績と復元設計

1980年に竹林舎建築研究所を設立した後、彼は日本の歴史的建築物の復元に力を注ぎました。特に、大阪城の本丸設計図の復元に20年をかけた成果が特筆されます。また、1989年から1993年の間には、掛川城天守閣の復元設計にも関わりました。これらのプロジェクトは、日本の建築文化を未来へとつなぐ重要な役割を果たしました。

彼の研究は単なる学術的な探求に留まらず、実際の建築復元に向けた具体的な行動へと繋がりました。そのため、彼の業績は歴史だけでなく、現代の建築においても高く評価されています。

著書と共著

宮上は数多くの著書を持ち、特に以下の作品は彼の専門性を示しています：

• - 『模型薬師寺東塔』（草思社, 1986）
• - 『復元模型安土城』（草思社, 1995）
• - 『薬師寺伽藍の研究』（草思社, 2009）

また、共著や共編としても多くの書籍を手がけており、以下のような著作があります：

• - 『法隆寺 世界最古の木造建築』(西岡常一共著, 草思社, 1980)
• - 『大坂城 天下一の名城』(穂積和夫イラスト, 草思社, 1984)
• - 『図説織田信長』(小和田哲男共編, 河出書房新社, 1991)

そのほか、翻訳作品としてアン・スコット・マグレガーの『超高層ビル』（草思社, 1981）もあります。このように彼は多方面での活動を通じて、日本の建築文化の多様性を広めました。

人柄と影響

宮上の研究スタイルは、徹底的な現場調査と歴史的文献の分析に基づいており、彼の知識は深く広範囲にわたりました。彼は多くの学生や研究者に尊敬され、建築分野における重要な指導者としても知られていました。

1998年に肺炎によりこの世を去った彼ですが、その遺産は今も尚、多くの人々に影響を与え続けています。彼の業績は日本の建築学の広がりを助け、後世に継承されることでしょう。

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