宮内駅 (山形県)

宮内駅（みやうちえき）

宮内駅は、山形県南陽市宮内にある山形鉄道フラワー長井線の駅です。のどかな田園風景の中に佇むこの駅は、地域住民の足として、また観光客の旅の拠点として親しまれています。

歴史

宮内駅は、1913年（大正2年）に長井軽便線（のちの長井線）の赤湯 - 梨郷間が開通した際に、宮内町駅として開業しました。その後、1988年（昭和63年）に山形鉄道に移管された際に、現在の宮内駅へと改称されました。

かつては貨物や荷物の取り扱いも行っていましたが、1979年（昭和54年）に貨物、1984年（昭和59年）に荷物の取り扱いを廃止しました。一時期は無人化されましたが、2010年（平成22年）にウサギの駅長が赴任して再び有人駅となり、注目を集めました。

駅構造

島式ホーム1面2線を有する地上駅で、木造駅舎が特徴です。駅舎は北側（荒砥方）にあり、南側にも出入口があります。電子閉塞導入時に無人化されましたが、2010年8月1日より再有人化され、日中のみ営業の出札窓口があります（月・水曜休業）。

駅周辺

駅周辺には、宮内郵便局、山形県立南陽高等学校、南陽市立宮内小学校、南陽市立宮内中学校などの公共施設があります。また、向山公園や双松公園といった自然豊かな公園、公立置賜南陽病院、南陽警察署宮内交番などもあります。

駅から徒歩約10分の場所には、熊野神社があります。かつては熊野神社参拝の臨時列車が発着し賑わっていましたが、現在は山形新幹線の影響で団体客は貸切バスへ移行しています。

ウサギの駅長

2010年8月1日の再有人化の際、人間の駅員に加え、ウサギの駅長・駅員が”勤務”を開始しました。これは、同社社員の母校である置賜農業高等学校で生まれた3羽のウサギが譲与されたことがきっかけです。

白ウサギの「もっちぃ」が駅長、他の2羽「ぴーたー」と「てん」が駅員として迎えられました。さらに、近所の蕎麦屋で飼われていたクサガメ「かめ吉」も非常勤助役として仲間に加わりました。

2011年の東日本大震災では、駅も震度5弱の揺れに見舞われましたが、「もっちぃ」駅長はその後も元気に駅のPR活動を続けました。同年6月には、写真集『うさぎ駅長　もっちぃがゆく！』もリリースされました。

2016年には、会津鉄道の芦ノ牧温泉駅の「らぶ」駅長が表敬訪問に訪れ、「もっちぃ」駅長との初対面が話題となりました。

残念ながら、「てん」駅員は2016年12月に、「ぴーたー」駅員は2017年4月に、そして「もっちぃ」駅長も2023年6月に亡くなりましたが、彼らの功績は今も語り継がれています。駅では慰霊祭が執り行われ、多くの人々が彼らの冥福を祈りました。

隣の駅

山形鉄道フラワー長井線：南陽市役所駅 - 宮内駅 - おりはた駅

宮内駅は、鉄道ファンだけでなく、動物好きにも愛される魅力的な駅です。ぜひ一度、訪れてみてください。

もう一度検索