山形鉄道

山形鉄道株式会社について

山形鉄道株式会社（やまがたてつどう）は、山形県南部、特に置賜地区にて「フラワー長井線」を運営している第三セクターの鉄道会社です。当社は、日本国有鉄道（国鉄）の改革に伴い、特定地方交通線として残された長井線の運営を引き受けるために、山形県や沿線の地方自治体が出資して設立されました。本社は長井市に位置しています。

歴史

創立と初期の運営

1988年4月20日、山形鉄道株式会社が設立され、同年10月25日にはJR東日本から長井線を転換し、フラワー長井線が開業しました。会社の初代社長には、2009年に野村浩志が就任し、2015年には退任しました。

鉄道事業再構築

2016年に地域公共交通活性化再生法に基づき、鉄道事業の再構築計画が国によって認定されました。この計画により、鉄道事業と施設・用地の保有が切り離される「上下分離方式」が導入されました。

路線情報

フラワー長井線は、赤湯駅から荒砥駅までの30.5キロメートルにわたる路線があり、16駅があります。これにより、地域のアクセス向上に寄与しています。

車両と施設

車両の種類

2016年3月の時点で、山形鉄道には1形式6両の気動車、さらには保線用のモーターカーが1両、有する計7両が在籍しています。主な車両には、1988年から2両ずつ製造されたYR-880形が含まれます。また、新潟鉄工所で製造された除雪用モーターカーも在籍しています。

歴史的建築物

長井市には多くの近代建築物が残されており、その中には昭和30年代に改築された長井駅の駅舎も含まれます。最上川鉄橋は、日本で最古の長大鉄橋であり、その独特な歴史を持っています。その他にも、登録有形文化財として保護されている駅舎も点在しています。

経営再建の取り組み

フラワー長井線の利用客が減少する中、地元自治体は年間6000万円を補助し赤字を穴埋めしていましたが、2016年度の損益予測は1億円の赤字を見込んでいました。そこで再構築計画が立案され、鉄道用地の無償取得や新しい観光ツアーの開発が盛り込まれました。

この取り組みは国から認可され、実施計画に基づいて運営負担が軽減されることで、2017年度には約1500万円の黒字を見込むことができました。これにより、鉄道事業の持続可能な運営が可能になると期待されています。

地域との連携

山形鉄道は地域経済との連携も進めており、企業連携型の片道乗車券の導入や、さまざまなイベント開催による利用促進を行っています。また、映画『スウィングガールズ』のロケ地としても知られ、観光客の訪問も増加しました。

結論

山形鉄道株式会社は、地域経済の活性化や鉄道事業の持続可能性に向けて、様々な取り組みを進めている重要な存在です。これからも地域の人々と共に成長し、発展していくことが期待される鉄道会社です。

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