宮城けんじ

宮城けんじ：昭和を彩った漫才師、その人生

宮城けんじ（1924年8月20日 - 2005年10月19日）は、昭和の演芸界を代表する漫才師の一人です。東けんじと組んだ「Wけんじ」は、そのテンポの良い掛け合いと、宮城の鋭いツッコミで一世を風靡しました。本名は寺島文雄。宮城県亘理郡逢隈村（現：亘理町）出身です。

子役から漫才師へ

3歳の時に養子に入った家の隣が大都映画の撮影所だったことがきっかけで、7歳にして子役としてデビュー。その後、軽演劇や新宿ムーランルージュなどを経て、歌手・春日八郎の専属司会を約10年務め、話術を磨きました。春日八郎ショーで全国を巡業中、東けんじからコンビ結成の誘いを受け、1961年4月に「Wけんじ」を結成。

Wけんじとして

1960年代を中心に、Wけんじは東京を代表する漫才師として活躍しました。「やんなっ！」「バカだなぁ〜」「なっ。オー！」といった流行ギャグを生み出し、人気は絶頂に。全盛期にはヘリコプターで移動して舞台を掛け持ちするほどでした。浅草松竹演芸場や東宝名人会など、数々の舞台に出演し、観客を沸かせました。

東けんじの死後

相方である東けんじの死後は、漫談家として活動。浅草の舞台を中心に、漫談や司会、講演会などで活躍しました。しかし、長年のヘビースモーカーが原因で肺がんを発症し、2005年10月19日に81歳で逝去。

人となり

座右の銘は「努力ある所に自信あり」。競馬、競輪、オートレース、麻雀、パチンコと、あらゆるギャンブルを愛する博打好きとしても知られていました。雀荘で麻雀を打っていたところへ妻が現れ、子供と哺乳瓶を置いていったという逸話も残っています。また、酒好きで仕事に遅刻することもあった東けんじを、宮城は辛抱強く待ち続けたといいます。

1954年に洞爺丸事故に遭遇する可能性がありましたが、東けんじが出航前に酔いつぶれてしまったため乗船を見合わせ、難を逃れたというエピソードも。

東けんじの葬儀では葬儀委員長を務め、出棺の際には「お疲れさま」と声をかけました。

主な出演

テレビ

大正テレビ寄席
ポリドール歌の遊覧船（司会）
今週の花嫁花むこ（司会）
初詣!爆笑ヒットパレード
水戸黄門
花王名人劇場 Wけんじリサイタル

ラジオ

サントリーキャラバン隊
らんまんラジオ寄席 Wけんじ特集（追悼記念放送）

映画

多数の映画に出演。喜劇作品を中心に、味のある演技を見せました。

舞台

新春Ｗけんじとその一味
三波春雄ショー
モルガンお雪
アメリカ寄席
Wけんじ一門会
Wけんじ漫才20周年記念特別公演

吹替

怪獣王ターガン
ゼロ地帯をムシる

受賞歴

* 1963年：NHK漫才コンクール優勝

宮城けんじは、昭和の演芸史にその名を刻む、偉大な漫才師でした。

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