花王名人劇場

花王名人劇場の概要

『花王名人劇場』は1979年10月7日から1990年3月18日まで、関西テレビと東阪企画の共同制作によりフジテレビ系列で放送された単発バラエティ番組です。この番組は、花王石鹸（後に花王に変更）の冠スポンサーのもと、一社提供で行われました。そのため、番組の情報は新聞やテレビ雑誌では単に『名人劇場』として記載され、花王の名前は表記されないことが多かったです。

放送のスタートと初期

番組は多様なエンターテイメントを提供し、当初は森繁久彌や山田五十鈴、中村メイコ、三橋美智也などの著名な俳優を起用し、ドラマやコメディを展開しました。しかし、視聴率は一桁台が続く苦しい状況が続きました。1980年1月20日から始まった「激突!漫才新幹線」では、B& Bや星セント・ルイスといった若手漫才師が登場し、後の漫才ブームの起爆剤となりました。

漫才ブームと視聴率の向上

1980年以降、全国で漫才ブームが巻き起こると、番組の人気も高まりました。特に名人芸として、不朽の名作となった落語や漫才が好評を博しました。昭和の名だたる芸人たちである桂米朝や柳家小さんの落語、また、夢路いとし・喜味こいしや中田ダイマル・ラケットといった漫才コンビが登場し、視聴者に笑いを提供しました。

特に、芦屋雁之助が主演した人情ドラマ『裸の大将放浪記』は大ヒットを記録し、その感動的なエピソードが多くの支持を集めました。また、番組では視聴者からの投票を基にした「花王名人大賞」を年に一度開催し、お笑い界での功績者を表彰する制度も設けられました。

番組の終了とその後

1990年3月18日、約10年半にわたる放送の最終回を迎えました。番組コンセプトは、次の『花王ファミリースペシャル』に引き継がれました。その後は、1990年代後半にCS放送の「ファミリー劇場」で再放送され、2009年には再び『名人劇場』として傑作選が放送されました。また、2015年には立川談志、桂枝雀が出演した回がDVD化され、2022年からは「よしもとプレミアムアワー」で再放送も行われています。

主な企画とエピソード

放送中の代表的な企画には、ロングドラマの『裸の大将放浪記』や、「花王名人大賞スペシャル」が存在しました。特に「おかしなおかしな漫才同窓会」は、視聴者から愛された番組の一つであり、東京漫才発見をテーマにした特別番組も開催されました。

スタッフと放送局

番組の演出には澤田隆治が関わり、ディレクターには菊地誠や武井泉が名を連ねました。制作は関西テレビが行いましたが、放送開始時期にはフジテレビのロゴも使用されていました。スポンサーが変わる場合には、番組表記は『名人劇場』に改題され、各局独自のオープニングタイトルが使用されました。これにより、花王の名前が外された形で放送が続けられました。

番組の意義

『花王名人劇場』の存在は、当時の日本のバラエティ番組の発展に大きく寄与しました。特に漫才ブームを促進させたことや、視聴者との対話を大切にしたスタイルは、今もなお続いている日本のテレビ文化の基礎となっています。これにより多くの芸人が育ち、さらなる大衆芸能の発展へとつなげていったのです。

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