宮城島卓夫

宮城島卓夫（みやぎしま たくお、1928年3月15日 - 2011年8月4日）は、日系アメリカ人の卓越した設計技師です。彼は、映画撮影機材メーカーとして知られるパナビジョン社に長年勤務し、映画の撮影や映写に関する技術革新に大きく貢献しました。パナビジョン社の象徴的なロゴデザインも宮城島によるものです。

若年期

宮城島は1928年3月15日に、静岡県出身の両親のもと、アメリカ合衆国カリフォルニア州ガーデナで誕生しました。兄弟は1人と姉妹が2人いました。幼少期はロングビーチとターミナル・アイランドで過ごしました。第二次世界大戦勃発後の1941年、日系人の強制収容を避けるため、ユタ州に住む親戚の家に移り住みました。ユタ州ケイズビルのデイビス高校を卒業しています。

キャリア

1954年、宮城島はパナビジョン社に入社し、2009年まで同社に貢献しました。退社時の役職は、エンジニアリング担当シニアバイスプレジデントでした。入社後、最初に手掛けたのは1955年に商品化されたスーパーパナター投影レンズです。その後、開発したカメラレンズ「プリモ・シリーズ」は、『太陽の帝国』をはじめとする数々の映画作品で使用され、アカデミー賞とエミー賞を受賞しました。1991年には、シングルオートフォーカス・アナモルフィックレンズの開発により、SMPTEのフジゴールドメダルを受賞しています。パナフレックス映画カメラシステムやオートパナタール・アナモルフィックレンズの開発にも携わるなど、映画撮影技術の進歩に大きく貢献しました。また、アルバート・サイキと共にアイピース・レベラーを開発しました。

宮城島は2011年8月4日に83歳で生涯を閉じました。彼の死後、2016年に発表されたアナモルフィックレンズのTシリーズは、宮城島の下の名前「卓夫」にちなんで命名されました。これは、彼の業績を称えるものであり、映画業界における宮城島の貢献を物語っています。

受賞歴

宮城島の卓越した業績は、数々の賞によって認められています。1999年には、映画芸術科学アカデミー(AMPAS)からジョン・A・ボナー賞を受賞しました。2005年には、映画技術における最も権威のある賞の一つであるゴードン・E・ソーヤー賞を受賞しました。さらに、1999年には全米撮影監督協会賞も受賞しています。宮城島はAMPASとSMPTEの会員でもあります。

これらの功績は、宮城島が映画技術の分野において、革新的な貢献を果たしたことを示しています。彼の開発したレンズやカメラシステムは、世界中の映画制作現場で使用され、映画史に名を残す作品の撮影を支えてきました。宮城島卓夫は、その生涯を通じて映画技術の発展に尽力し、映画業界に多大な影響を与えた人物として、その名を刻んでいます。

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