宮城県女子専門学校 (旧制)

宮城県女子専門学校について

宮城県女子専門学校（みやぎけんじょしせんもんがっこう）は、1926年（大正15年）に設立された公立の旧制専門学校であり、女子を対象とした教育機関でした。この学校は、福岡県立、大阪府立に次いで、公立としては3番目に設立された女子専門学校です。

前身と設立

宮城県女子専門学校は、1921年に設置された宮城県第二高等女学校（現在の宮城県仙台二華高等学校）の高等科を前身としています。設立当初は4年制（予科1年、本科3年）で、本科には国文専攻と英文専攻の文科が設けられました。後に家政科も増設されています。

第二次世界大戦とその後

第二次世界大戦後の学制改革により、宮城県女子専門学校は国立の東北大学に併合され、東北大学農学部の家政学科となりました。その後、家政学科は生活科学科と改称されましたが、1960年に廃止されています。

同窓会

同窓会は「白楊会」（はくようかい）という名称で活動しています。

沿革

1921年2月20日：宮城県第二高等女学校に高等科が併置されました。修業年限は3年で、学年定員は30名でした。
1923年頃：高等科の校舎が竣工しました。
1925年12月：宮城県議会で女子専門学校の設置が決定されました。
1926年3月18日：専門学校令により、宮城県女子専門学校の設置が認可されました。予科と本科（国文専攻・英文専攻）が設置され、予科は修業年限1年で4年制高女卒業者を対象とし、本科は修業年限3年で予科修了者や5年制高女卒業者を対象としていました。
1926年3月26日：宮城県は女専の設置と第二高等女学校高等科の廃止を通達し、校舎と敷地を女専に移管しました。
1926年4月15日：第1回入学式が行われました。
1927年3月30日：本科に家政科が増設され、従来の本科は文科と改称されました。家政科には家事専攻と裁縫専攻が設置されました。
1928年3月：旧高等科の最後の卒業生が卒業し、旧高等科は廃止されました。
1929年3月：宮城県女子専門学校の第1回卒業生が卒業しました。
1930年6月1日：家政科は予科を廃止し、本科のみの3年制となりました。
1932年3月31日：文科も予科を廃止し、本科のみの3年制となりました。同時に文科研究科（1年制）が設置されました。
1934年4月29日：校歌『正しく強く美はしく』（土井晩翠作詞、信時潔作曲）が制定されました。
1934年12月：長町越路3番地の新校舎に移転しました。
1937年3月20日：文科の英文専攻の募集が停止されました。
1940年3月：英文専攻は在籍者の卒業により廃止されました。
1938年3月16日：文科研究科は国文研究科、本科文科は国文科に改称されました。
1939年2月1日：家政科は家事科と裁縫科に分科されました。
1940年3月：第二校歌『女専明魂曲』（加藤文友作詞、黒沼幸四郎作曲）が制定されました。
1944年2月29日：本科に数学科が増設され、既存の学科は国文科→国語科、家事科→保健科、裁縫科→被服科と改称されました。
1945年7月10日：仙台空襲により校舎の一部が焼失しました。
1946年9月：研究科が廃止されました。
1947年10月1日：保健科は生活科と改称されました。
1947年12月：女子大学への昇格期成同盟が結成されました。
1948年5月22日：新学制審議委員会で、女専の東北大学への合併が審議されました。
1949年3月：東北大学農学部教授会が、女専の併合を承認しました。
1949年5月31日：新制東北大学が発足し、宮城県女子専門学校は農学部家政学科の母体となりました。
1949年8月：文部省が女専の東北大学への合併を承認しました。
1949年9月：女専の校地に東北大学第三教養部が設置されました。
1950年12月：農学部家政学科は農学部生活科学科と改称されました。
1951年3月17日：旧制宮城女専の最後の卒業生が卒業しました。
1951年3月31日：旧制宮城県女子専門学校が廃止されました。

後史

1952年4月：東北大学第三教養部は第一教養部に合併され、農学部生活科学科の講座が改称されました。
1953年4月：農学部生活科学科は5講座に改組されました。
1960年4月：農学部生活科学科が廃止され、農学部食糧化学科に改組されました。旧講座の一部は工学部建築学科や文学部社会学科に移管されました。

校長

宮城県女子専門学校の校長は以下の通りです。

初代：雀部顕宜（1926年4月 - 1933年7月）
第2代：三矢英松（1933年7月 - 1944年10月21日死去）
校長事務取扱：飯野哲二（1944年10月 - 1945年3月）
第3代：羽生隆（1945年5月 - 1949年9月）
第4代：高柳真三（1949年9月 - 1951年3月）

校地の変遷と継承

創立当初は宮城県第二高等女学校の校地を使用していましたが、1934年に長町越路に新校舎が完成し移転しました。八木山校地は後身の東北大学に継承され、第三教養部が設置されました。その後、第三教養部は第一教養部に合併され、跡地は国立仙台電波高等学校（現・仙台電波工業高等専門学校）の校地となりました。1975年4月には宮城県仙台向山高等学校が設置され現在に至っています。旧制女専時代の校舎は、1984年7月に解体されました。

関連書籍

宮城県女子専門学校史編集委員会（編）『宮城県女子専門学校史』宮城県女子専門学校同窓会白楊会、1986年7月。
東北大学農学部創立50周年記念事業実行委員会（編）『東北大学農学部五十年の歩み』東北大学農学部同窓会、1997年9月。

外部リンク

東北大学
第6展示室 : 宮城県女子専門学校 - 東北大学史料館デジタル展示室より
東北大学文学部社会学講座の沿革
東北大学農学部応用生命科学専攻・生命機能科学講座・栄養学分野の沿革
東北大学大学院生命科学研究科生命有機情報科学講座（大講座）生命素子機能分野の沿革

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