宮城県民歌

宮城県民歌について

「宮城県民歌」は、日本の宮城県で1939年に制定された初代の県民歌です。この歌は、作詞を高松茂夫、作曲を東京音楽学校に依頼して誕生しました。制定された背景には、河北新報の発行1万5000号を記念して行われた公募があり、応募された1527篇の中から高松の歌詞が選ばれました。選定は土井晩翠を委員長とする委員会によって行われ、発表は1938年11月29日に河北新報紙面で行われました。

歌は、1946年の太平洋戦争終結後に制定された2代目「輝く郷土」に62年で置き換えられましたが、県の公式サイトでは初代の「宮城県民歌」をも紹介しており、両曲の注目度が高まっています。しかし現在、宮城県としては「輝く郷土」のみが正式な県民歌として認定されています。

歴史と背景

1938年、河北新報が記念号を発行した際に、県民歌の公募を行ったことが始まりです。この時、全国から多くの歌が寄せられ、選考を経て高松茂夫の作品が選ばれました。高松は当時、小学校の教員を休職しており、病気療養のために帰郷中であったことが印象的です。高松の応募作は、審査にあたった阿刀田令造から「支倉常長以来の理想を受け継ぐもの」と評価され、その歌詞が特にふさわしいとされました。

その後、1940年に高松は病気のためにこの世を去りますが、彼の歌は宮城県民にとって特別な存在になりました。「宮城県民歌」は短命に終わったものの、彼の生涯と作品は今も語り継がれています。

復活の兆し

2001年、ピアニストの橋本宗子が知人の縁で「宮城県民歌」の存在を知り、その復活を提唱しました。復活運動は、県民の中での支持を受けながら次第に広まり、現在では「輝く郷土」とともに県のサイトで紹介され、多くの人々に愛唱歌として親しまれています。このように、高松の「宮城県民歌」は県民愛を鼓舞し続けているのです。

高松茂夫の人物像

作詞者の高松茂夫は1913年に桃生郡で誕生し、宮城県師範学校を卒業後、小学校教員としての道を歩みました。しかし、彼の人生は短いもので、28歳という若さでこの世を去りました。その業績は大きく評価され、彼の歌詞は県の歴史や文化を今に伝えるものとなっています。

結論

初代「宮城県民歌」は現在、著作権の保護期間を満了し、パブリックドメインとなっています。これにより、官民を問わず広く人々に歌い継がれていくことでしょう。県民歌としての役割を果たし続けるこの歌は、今後も宮城県民の精神の一部として、歴史の中でその価値を保ちながら存在していくことでしょう。

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