宮城県沖地震 (1978年)

宮城県沖地震とは

宮城県沖地震は、1978年6月12日月曜日の17時14分25秒（JST）に発生したマグニチュード7.4（Mw7.5）の大地震です。この地震は、宮城県の沖合で起こり、仙台市を含む広い範囲で影響を及ぼしました。震度は仙台市で最大5を観測し、東京でも震度4を記録するなど、広域にわたって強い揺れを感じることがありました。この地震は、過去に繰り返し発生している宮城県沖地震の一つとして位置づけられており、平均37.1年の周期で発生していると考えられています。

震度の観測

震度4以上の揺れが観測された地域は多岐にわたり、特に仙台市やその周辺では強い揺れが確認されました。この影響により、地元の東北大学工学部に設置されたSMAC強震計では建物の揺れが正確に記録され、9階部分の観測では最大加速度が1040ガルに達しています。この記録は、当時として世界的に見ても新しいものでした。

被害の状況

この地震は甚大な被害をもたらしました。死者は28名、負傷者は1325人、全半壊した建物は7400戸以上に上ります。停電や断水が発生し、都市ガスの供給も大きく影響を受けました。特に仙台市ではガス供給が13万戸で停止し、老朽化したブロック塀が倒壊して多くの犠牲者が出るなど、人的な被害が深刻でした。

また、交通網にも大きな混乱が生じました。国鉄は全面運休となり、運行再開には約1週間かかりました。仙台市営バスは地震直後に運行を再開しましたが、信号が機能しないため交通渋滞が発生し、街中は混乱に包まれました。特に、登米郡では橋が一部落橋し国道が不通になるなど、交通インフラにも大きな影響が出ました。

生活への影響

地震によって都市のライフラインが麻痺し、これが50万人以上の都市での初めての経験となりました。電気・水道・固定電話は8日以内に復旧しましたが、ガスに関しては27日目まで復旧が完了しませんでした。こうした経験を踏まえ、宮城県では毎年6月12日を「県民防災の日」とし、防災訓練が行われています。

法律への影響

この地震を受けて、1981年には建築基準法が改正され、耐震基準が強化されました。この法律により、震度5強の地震に対しては軽微な損傷を、震度6強から7に対しては倒壊を免れる強度を求められることとなりました。さらなる見直しが行われたのは1995年で、阪神淡路大震災の影響を受けて新たな基準が設定されました。

マスコミの反応

地震発生後、東北放送やNHK仙台局は特別番組を編成し、安否情報を提供しましたが、一般的なテレビ放送はほぼ通常通り行われました。この地震をきっかけに、各テレビ局はフィルム撮影からENG（電子ニュース収録）に移行するなど、報道スタイルが変化することになりました。

結論

宮城県沖地震は、都市にとっての脅威とその影響を示す重要な事例となりました。都市型地震の恐ろしさを再認識し、未来に向けた防災意識の涵養と法制度の見直しが進められました。

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