宮城県農業高等学校

宮城県農業高等学校は、宮城県名取市高舘吉田に所在する県立の農業高校です。1885年に宮城農学校として創設された、日本で最も古い農業高校の一つであり、その歴史は130年以上に及びます。通称は「宮農（みやのう）」と呼ばれ、地域に親しまれています。

設置されている学科は、全日制課程として農業科、園芸科、生活科、食品化学科、農業機械科の5つです。各学科は専門的な知識と技術を学ぶことができ、将来の農業分野や関連産業での活躍を目指す生徒を育成しています。

1〜3組は農業科、園芸科、4組は生活科、5組は食品化学科、6組は農業機械科とクラス分けがされています。また、学寮として「自啓寮」があり、通年入寮者のほか、全生徒に短期入寮が義務付けられているのが特徴です。

沿革を見ると、1885年7月30日に全国初の農業学校である宮城農学校として設立され、その後、何度か名称変更を経て、1948年4月1日に現在の宮城県農業高等学校に改称しました。設立当初は現在の仙台市太白区長町に位置していました。

学校は、東日本大震災で校舎や敷地が津波により甚大な被害を受けました。震災後は、柴田農林高校、亘理高校、加美農業高校に分かれて授業を行うなど、困難な状況に置かれましたが、仮設校舎を経て2018年3月に現在地に移転し、教育活動を再開しています。

部活動も盛んで、運動部では野球、バレーボール、バスケットボール、ソフトテニス、卓球、バドミントン、サッカー、陸上競技、柔道、剣道、弓道、ボクシング、ウェイトリフティング、相撲など多様な部があり、文化部では吹奏楽、合唱、美術、演劇、茶道、書道、写真、科学、放送、和太鼓、測量愛好会、軽音楽愛好会、美化クラブなどがあります。

卒業生の中には、貴族院議員の佐藤亀八郎、元参議院議員の今野東、プロボクサーの相澤国之や小野淳一、元プロ野球選手の小野寺克男、元大衡村長の跡部昌洋、競輪選手の菅田順和、大相撲力士の青葉山弘年、天文家の小石川正弘、キックボクサーの奥野愛央衣（通称フェフ姉）、岩手県議会議員の岩持静麻など、各界で活躍している人物がいます。

アクセスは、JR東日本東北本線名取駅から徒歩30分、または、なとりん号で農業高校前下車となります。南仙台駅西口からもなとりん号が利用可能です。

また、宮城県農業短期大学は、本校の専攻科を母体としており、坂本龍一氏が東日本大震災で被災した本校のピアノを「津波ピアノ」として再生・使用していることも特筆されます。

宮城県農業高等学校は、長い歴史の中で、常に変化に対応しながら、地域社会を支える人材を育成する重要な役割を果たしています。

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