宮城県鼎が浦高等学校

宮城県鼎が浦高等学校

宮城県鼎が浦高等学校は、宮城県気仙沼市赤岩杉の沢に位置していた県立の高等学校です。2005年4月1日に宮城県気仙沼高等学校（男子校）と統合され、共学校の宮城県気仙沼高等学校となりました。

沿革

鼎が浦高等学校は、地域における女子教育の拠点として、長い歴史を刻んできました。

1923年（大正12年）3月19日 - 気仙沼町立気仙沼実科高等女学校として設立認可。生徒定員は100名でした。
1924年（大正13年）10月27日 - 県名冠称が認可され、宮城県気仙沼実科高等女学校に改称。
1943年（昭和18年）4月1日 - 宮城県気仙沼高等女学校に改称。
1948年（昭和23年）4月1日 - 学制改革により宮城県気仙沼女子高等学校に改称。新校章が制定されました。
1951年（昭和26年）3月1日 - 宮城県鼎が浦高等学校（女子校）に改称。
2005年（平成17年）4月1日 - 宮城県気仙沼高等学校（男子校）と統合。

特徴

鼎が浦高等学校は、地域に根ざした教育活動を展開し、多くの人材を輩出してきました。

夜間部が設置されており、宮城県仙台第一高等学校通信制のスクーリングを実施していました。
地域では「進学校」として認識され、親子三代にわたって本校で学んだ卒業生も少なくありません。
特にフェンシング部の活動が顕著であり、全国レベルの大会で数々の輝かしい成績を収めました。
県内では珍しいセーラー服を制服として採用していました。統合後の気仙沼高等学校では、本校の制服のデザインが引き継がれ、生徒や地域住民から好評を得ました。

部活動

鼎が浦高等学校では、運動部と文化部が活発に活動していました。

運動部: バスケットボール、バレーボール、ソフトボール、バドミントン、陸上競技、硬式テニス、ソフトテニス、弓道、卓球、フェンシング、剣道、水泳
文化部: 吹奏楽、マンドリン、写真、合唱、演劇、茶道、華道、自然科学、文芸、外語、ダンス、軽音楽、美術、食物

フェンシング班の輝かしい実績

鼎が浦高等学校フェンシング部は、全国大会で数々の優勝を飾るなど、目覚ましい活躍を見せました。以下に主な実績を記します。

1955年：全国高等学校フェンシング選手権大会団体優勝
1956年：全国高等学校フェンシング選手権大会団体優勝、個人フルーレ優勝
1957年：全国高等学校フェンシング選手権大会団体優勝
1958年：全国高等学校フェンシング選手権大会団体優勝
1961年：全国高等学校フェンシング選手権大会団体優勝
1962年：全国高等学校フェンシング選手権大会団体優勝
1964年：全国高等学校総合体育大会団体優勝
1967年：全国高等学校総合体育大会団体優勝
1972年：全国高等学校総合体育大会団体優勝
1973年：全国高等学校総合体育大会団体優勝
1984年：全国高等学校総合体育大会団体優勝、個人フルーレ優勝
1990年：全国高等学校総合体育大会団体優勝
1991年：全国高等学校総合体育大会団体優勝
1996年：全国高等学校総合体育大会団体優勝
2002年：全国高等学校選抜フェンシング大会団体優勝、全国高等学校総合体育大会団体優勝、国民体育大会団体優勝

これらの功績が認められ、数々の賞を受賞しています。

1964年：河北文化賞
1972年：県教委より表彰
1974年：日本フェンシング協会長特別賞、全国高等学校体育連盟フェンシング部より表彰
1985年：宮城県体育協会勲功賞、宮城県高体連功績賞
2002年：日本フェンシング協会会長賞
2003年：宮城県特別功績賞

特筆すべきは、菅原智恵子教諭が2004年アテネオリンピックのフェンシング競技・女子個人フルーレに出場を果たしたことです。

教職員

菅原智恵子 - 保健体育科教諭、フェンシング班顧問、フェンシング選手、鼎が浦高等学校出身
千田健一 - 社会科教諭、フェンシング班顧問
千葉卓朗 - 1955年フェンシング班コーチ就任

著名な出身者

鼎が浦高等学校は、各界で活躍する多くの著名な人材を輩出しています。

梶原しげよ - 詩人
熊谷龍子 - 歌人
梶原さい子 - 歌人
小山歩 - 小説家
畠山美由紀 - シンガーソングライター
岩手佳代子 - フリーパーソナリティ
佐藤千晶 - フリーアナウンサー、元東日本放送・名古屋テレビ放送アナウンサー
村上亜希子 - フリーアナウンサー、元北海道放送・北海道テレビ放送アナウンサー
大和田智子 - フェンシング選手
白石公子 - 詩人

鼎が浦高等学校は閉校しましたが、その歴史と伝統は、統合された気仙沼高等学校、そして卒業生たちの心の中に生き続けています。

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