宮城音五郎

宮城音五郎（みやぎ おとごろう）

宮城音五郎は、1883年（明治16年）8月3日に埼玉県で生まれ、1967年（昭和42年）9月14日に逝去した日本の工学者、政治家です。彼は、東北帝国大学（現・東北大学）の教授、宮城県知事、そして東北工業大学の初代学長など、数々の要職を歴任し、教育者としても傑出した才能を発揮しました。

生涯

1908年（明治41年）に東京帝国大学（現・東京大学）を卒業後、仙台高等工業学校（現・東北大学工学部）で教鞭を執り始めました。1917年（大正6年）から1918年（大正7年）にかけてアメリカ合衆国に留学し、帰国後は東北帝国大学で工学部長などを務めました。1945年（昭和20年）に東北帝国大学を退官後、1946年（昭和21年）から1950年（昭和25年）まで宮城県仙台第一中学校（現・宮城県仙台第一高等学校）の校長を務めました。

1952年（昭和27年）から1956年（昭和31年）まで宮城県知事を一期務め、県政の発展に尽力しました。その後、1960年（昭和35年）に学校法人東北電子学院（現・学校法人東北工業大学）の理事に就任し、1961年（昭和36年）には東北電子工業高等学校（現・仙台城南高等学校）の開校、1964年（昭和39年）には東北工業大学の開学に尽力しました。

1961年4月1日から1964年10月31日まで東北電子工業高等学校の初代校長を、1964年4月1日から亡くなる1967年9月14日まで東北工業大学の初代学長を務めました。彼の情熱と指導力は、東北地方の教育と産業の発展に大きく貢献しました。

1967年（昭和42年）9月19日、東北工業大学によって大学葬が執り行われ、その功績を讃えました。

人物

宮城音五郎は、教育者としてだけでなく、行政官、大学経営者としても優れた手腕を発揮しました。特に、東北工業大学の設立と発展に尽力したことは、彼の教育に対する情熱と先見の明を示すものです。また、彼は温厚な人柄で多くの人々に慕われ、その教育者としての姿勢は、後進の育成にも大きな影響を与えました。

親族

兄：宮城長五郎（検察官・司法大臣・貴族院議員）
義姉：宮城タマヨ（参議院議員、長五郎の妻）
妻：ちよ（東北帝国大学教授・瀬戸慶之進の妹）

資料

宮城音五郎に関する資料は、東北大学史料館（宮城県仙台市青葉区片平2-1-1）に「宮城音五郎文書」（日記・手帳等）として保存・公開されています。これらの資料は、彼の生涯や業績を研究する上で貴重な情報源となっています。

参考文献

学校法人東北工業大学50年史編集委員会『学校法人東北工業大学五〇年史』学校法人東北工業大学、2010年10月19日。


宮城音五郎は、その生涯を通して教育と産業の発展に尽力し、東北地方の近代化に大きく貢献しました。彼の遺した功績は、今日においても高く評価されています。

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