宮崎県庁舎

宮崎県庁舎の概要と歴史

宮崎県庁舎は、宮崎県宮崎市に所在する広域自治体の本庁舎及び関連する建物群を指します。具体的には、中央市街地における官公署が集まるエリア、例えば橘通り、旭町、宮田町に位置しています。県の中核機能は1932年に完成した本館を中心に、1号館から10号館、附属棟、防災庁舎、議会棟、県企業局庁舎など、合計16棟に分散しています。特に県庁本館は、日本において現役の県庁舎としては4番目に古い歴史を有しており、観光地としても高い人気を誇ります。2007年に知事に就任した東国原英夫氏の取り組み以降、観光名所としての役割も強化され、2009年9月14日には訪問者数が100万人を超えるという成果を達成しました。

初代県庁舎の設置

初代の宮崎県庁本館は、1873年に新たに設置された宮崎県のために1874年に建設されました。設置勤務地は最初宮崎郡下北方村に定められましたが、後に上別府村へと改められ、上別府村役所を仮庁舎として利用しました。県庁の建設にあたっては、現代の知事にあたる権令の福山健偉が「西洋建築」の要望がありましたが、国からの予算の問題で木造の「楼閣付き唐破風」が選ばれました。この初代県庁舎は鹿児島県に併合された後も、役所として活用され続け、後に宮崎市の成長の一因ともなりました。

現在の県庁舎

1976年頃から郡制が廃止され、県の業務は増加しました。このため、初代県庁舎は手狭となり、1932年に新たに現在の宮崎県庁本館が完成しました。建設にあたり、初代庁舎の改築の必要性が再度浮上し、知事の有吉実の提案により、予算が調整されて新庁舎の建設へと進展しました。この新しい本館は、ネオ・ゴシック建築様式で設計され、総工費は約72万円に及びました。

県庁舎の新設にあたっては電力会社からの寄付もあり、当時の経済環境を考慮した事業となりました。建物はその後文化庁により2017年に国の登録有形文化財に指定されています。

東国原知事時代の変革

2007年には、県庁舎正面に「知事等身大パネル」が設置され、観光地としての新たな動きが始まりました。また、「県庁ツアー」も開催され、県庁の見学者数が増加しました。さらに、金曜日と土曜日の夜間には県庁舎がライトアップされるなど、地域活性化策が展開されてきました。観光客だけでなく、地元市民にも愛されるスポットとしての地位を確立しています。

県庁内の庭

敷地内には、宮崎県のシンボルでもあるフェニックスが植えられており、特に正面玄関前にあった中央のフェニックスは1932年の県庁舎竣工時から存在し、県内最古のものとして知られていましたが、2009年に枯死し、伐採されました。このように、多くの歴史を背負った建物とその周辺環境は、宮崎県の歴史と文化を象徴する重要な場所となっています。

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