宮崎道生

宮崎道生

宮崎道生（1917年10月13日 - 2005年4月1日）は、20世紀の日本を代表する日本史学者の一人であり、特に江戸時代中期の政治家・思想家である新井白石研究の第一人者として知られています。

生涯

三重県に生まれた宮崎道生は、1941年に東京帝国大学文学部国史学科を卒業しました。戦後、学術研究の道に進み、弘前大学、岡山大学で教鞭を執り、多くの学生を指導しました。その後、國學院大學教授に就任し、1988年に定年退任後も講師として教壇に立ち続け、1991年に退任しました。長年の教育・研究活動が評価され、1997年春には勲三等瑞宝章を受章しました。

業績

宮崎道生の研究業績は、新井白石研究を中心に多岐にわたります。

新井白石研究: 白石の思想、政治、洋学、史学、地理学など、多角的な視点から白石の実像に迫りました。
地域史研究: 青森県の歴史に関する研究も行っており、地域史研究にも貢献しました。
思想史研究: 熊沢蕃山、シーボルトなど、近世・近代の思想家や文化に関する研究も行いました。

著書

宮崎道生は、多数の著書を著しており、その研究成果を広く社会に伝えました。以下に代表的な著書を挙げます。

『新井白石序論』（1954年）
『新井白石』（1957年）
『新井白石の研究』（1958年）
『青森県の歴史』（1970年）
『新井白石の洋学と海外知識』（1973年）
『新井白石の時代と世界』（1975年）
『新井白石の人物と政治』（1977年）
『新井白石と思想家文人』（1985年）
『新井白石断想』（1987年）
『新井白石の史学と地理学』（1988年）
『新井白石』（1989年）
『熊沢蕃山 人物・事績・思想』（1995年）
『シーボルトと鎖国・開国日本』（1997年）

また、校訂・編著も多数手がけており、貴重な歴史資料の刊行にも尽力しました。

『定本折たく柴の記釈義』（1964年）
『西洋紀聞 新井白石』（1968年）
『青森県近代史年表』（1973年）
『蕃山全集 第7冊 熊沢蕃山』（1980年）
『新井白石の現代的考察』（1985年）
『三輪物語 熊沢蕃山』（1991年）
* 『シーボルトと日本の開国近代化』（1997年）

評価

宮崎道生は、新井白石研究の基礎を築き、その業績は今日でも高く評価されています。また、地域史研究、思想史研究にも貢献し、日本の歴史研究の発展に大きく寄与しました。その学問に対する真摯な姿勢と幅広い知識は、多くの研究者や学生に影響を与え、後進の育成にも尽力しました。

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