宮川一貫

宮川 一貫の生涯

宮川一貫（みやかわ いっかん、1885年1月5日 - 1944年3月25日）は、昭和期の政治家であり、柔道家としても名を馳せた福岡市出身の人物です。彼は衆議院議員を務め、また玄洋社の一員としても活躍し、その人生は多面的にわたりました。

家庭環境と柔道の道

宮川は、玄洋社の幹部である宮川太一郎の長男として生まれました。彼の柔道の基礎は、内田良平が創設した天真館で培われました。福岡県中学修猷館に進学し、ここで中野正剛と出会います。二人は在学中に互いに意識し合うライバル関係にありましたが、1904年に行われた柔道対決で宮川が勝利し、その名声を確立しました。彼の柔道スタイルは「花ならば満開の桜花を見るようなけいこぶり」と称賛され、特にその華麗な投げ技が印象的でした。

早稲田大学での学び

1905年に修猷館を卒業後、宮川は福岡に残り、天真館の発展に寄与した後、早稲田大学政治経済学科に進学します。ここでも彼は講道館に入門し、1911年に大学を卒業。この間に、講道館から柔道7段の段位を授与され、以降は早稲田大学の柔道講師として教壇に立つことになりました。獨逸学協会学校や拓殖大学、陸軍幼年学校でも柔道教育に貢献し、講道館の最高幹部としても活躍しました。

インド独立運動との関わり

1915年、宮川は日本に亡命していたインドの独立運動指導者であるラース・ビハーリー・ボースとヘーランバ・ラール・グプタとの関係が注目されます。当時、日本政府は彼らに対して退去命令を出しますが、宮川は玄洋社の頭山満の指示のもと、彼らを護衛しました。ボースたちは、頭山邸から隣家の的野半介邸を経て、杉山茂の自動車に乗せられて匿われました。この行動は、柔道の道を歩むだけでなく、政治的な活動においても影響力を持っていたことを示しています。

政治家としてのキャリア

1928年に行われた第16回衆議院議員総選挙では、福岡1区から立憲政友会の候補として立候補し、当選を果たします。その後、彼は3回の当選経験を持ちます。しかし、1924年の衆議院議員選挙では、中野正剛に13票差で惜敗しており、ライバルとの関係が続いていました。

国際的な活動

宮川は、1930年にロンドンで開催された第26回列国議会同盟会議や、ブリュッセルでの第16回万国議院商事会議にも出席しており、彼の国際的な活動も注目されています。

結び

宮川一貫は、ただの柔道家ではなく、政治家として華やかな足跡を残した重要な人物でした。彼の生涯を通じて、人々に多大な影響を与え、特に地元・福岡における柔道の発展に寄与したことが評価されています。彼の業績は、今日でも多くの人々に称えられています。

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