宮川米次

宮川米次（みやかわ よねじ）の業績と生涯

宮川米次は、1885年に愛知県で生まれた日本の医学者であり、病理学者かつ細菌学者として名を馳せました。彼は東京帝国大学の伝染病研究所の所長を務め、伝染病および感染症の研究とその撲滅に尽力しました。彼の功績は、我が国の医学の発展において非常に重要な役割を果たしました。

来歴

宮川は愛知県渥美郡の豊岡村に今泉七作の四男として誕生しました。地元の愛知県第四中学校を卒業後、資産家の家に養子に入りました。彼はその後、第六高等学校を経て1910年に東京帝国大学医科大学を卒業し、1917年には医学博士の学位を取得しました。

1934年から1940年にかけて、彼は東京帝国大学伝染病研究所の所長を務めます。この期間中の1935年、鼠径リンパ肉芽腫症の病原微生物を培養し、これを「宮川小体」と命名しました。この発見は、クラミジア・トラコマチスに関連する重要なものでした。

第二次世界大戦後の1945年には東京帝大を退職し、公職追放を受けましたが、その後も東芝の医院で院長や生物物理化学研究所の顧問として活躍しました。1951年には東京大学の名誉教授の称号を得ており、1955年には宮川小体の研究により日本学士院賞を受賞しました。

晩年と死去

1959年、彼は東京大学医学部附属病院に入院し、同年の12月26日に胃がんにより亡くなりました。享年74歳でした。彼の死は医学界にとって大きな損失とされました。

栄典とエピソード

1945年には正三位を授与され、その名声は文壇でも語り継がれています。特に近衛文麿の主治医としての役割も果たし、政治家への影響力を持っていました。彼がサポートしたことで、橋田邦彦や小泉親彦も内閣に登用されました。

著書

宮川米次は多くの著書を残しています。その中には、1929年の『食養療法學』、1941年に岡西順二郎と共著した『肺結核』、1943年の『蒙古文化地帯』、1944年の『新撰熱帯病学』、1944年の『戦争とマラリア』、1948年の『臨牀人体寄生虫病学〈蠕虫病編〉』、1955年の『ヂフテリヤの予防法』や『治療食餌』、さらに『宮川米次名誉教授論文抄録集』などがあります。これらの著作は、今なお医学研究や教育において重要な資料とされています。

影響と関連項目

宮川米次は特に地方病研究にも深く関わっており、山梨地方病研究部の専任技師として日本住血吸虫の生活環を解明する研究に貢献しました。また、同仁会という戦前の医学団体の設立にも関与し、アジア諸国での医療普及にも寄与しました。

彼の足跡は、今もなお日本の医学史において重要な位置を占めており、彼が果たした役割は多くの後進に引き継がれています。

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