宮本悦朗

宮本 悦朗

日本の歌手、宮本悦朗（みやもと えつろう）氏は、1948年1月15日に長崎県対馬市（旧美津島町賀谷）に生まれました。内山田洋とクール・ファイブのオリジナルメンバーとして知られ、グループではキーボードとバックコーラスを務めました。テレビのバラエティー番組では、その親しみやすい笑顔と個性的な外見からくるキャラクターで人気を集めました。現在は千葉県習志野市を拠点に、歌謡スナック「クール101」を経営しています。

来歴

対馬で漁師の家庭に生まれた宮本氏は、幼少期から音楽に親しみ、将来は音楽教師になることを志していました。長崎大学教育学部への進学を目指し、ピアノのレッスンを受けながら懸命に受験勉強に励んでいましたが、高校三年生の秋に父親を突然亡くすという悲劇に見舞われます。この出来事が影響し、受験も失敗が続き、二度の浪人を経験するも大学合格は叶いませんでした。実家に戻ることもせず、長崎市内のラウンジでピアノの弾き語りをして生計を立てていた時期に、運命的な出会いを果たします。それが、後に国民的グループを結成することになる内山田洋氏でした。

1967年9月、宮本氏は内山田洋氏が率いるクール・ファイブの結成メンバーとして参加します。翌1968年には栄子夫人と結婚。クール・ファイブは、長崎市内の高級クラブ「銀馬車」での演奏が認められ、スカウトを機に上京を果たします。上京は、ちょうど長男が誕生した直後のことでした。

1969年2月、クール・ファイブは「長崎は今日も雨だった」でメジャーデビュー。この楽曲は空前の大ヒットを記録し、グループは一躍スターダムへと駆け上がりました。テレビ番組への出演も増え、特にフジテレビ系のバラエティー番組『欽ちゃんのドンとやってみよう!』には1975年から1980年にかけてレギュラー出演し、グループの知名度と人気を不動のものとしました。番組出演による収入増を背景に、1975年には都内の賃貸住宅から、千葉県八千代市の分譲マンションへ転居しています。

1987年にメインボーカルの前川清氏がクール・ファイブを脱退すると、宮本氏は自身の新たな活動と生活の安定を目指すようになります。1988年7月7日、安定した収入源を確保するため、一階を店舗、二階を住居とする目的で習志野市に一戸建住宅を購入し、歌謡スナック「クール101」を開店しました。以来、この場所を生活と仕事の拠点としています。

1994年にはグループから独立し、「宮本えいこプロダクション」を立ち上げました。同年、デビュー25周年を記念したアルバム「デビュー25周年記念感謝をこめて」をCDでリリース。1995年にはシングル「みなと／人生花火」を発表するなど、ソロ歌手としても活動を展開します。

1996年には政治の世界にも挑戦。第41回衆議院議員総選挙に新進党公認で千葉県第7区から立候補しましたが、53,484票を獲得するも惜しくも次点に終わり落選しました。

その後も音楽活動は続け、2004年にはクール・ファイブ出身メンバーであるたくみ稜氏、小林正樹氏と共に、新ユニット「サニーアンクル」を結成しました。2006年には、内山田洋氏の逝去を追悼する意味合いで、クール・ファイブの一夜限りの再結成が行われました。2010年9月には、出身地である長崎県対馬市でのコンサートにおいて、母校である対馬高等学校の吹奏楽部員とのセッションも実現しています。

人物・エピソード

宮本氏は、テレビの歌番組などで、薄くなった頭髪など、その個性的な外見が紹介されることが多く、親しみやすいキャラクターとして視聴者に認識されています。薄い頭髪とメガネがトレードマークであり、趣味はゴルフです。

音楽教師を目指して長崎大学合格を目指すも叶わず、ラウンジでの弾き語り中に内山田洋氏と出会いクール・ファイブのメンバーとなった経緯は、波乱に満ちた人生の一端を示しています。

エピソードとしては、前川清氏のそっくりさんとして知られる後川清（うしろかわ きよし）氏の楽曲『長崎の今日は晴れだった』において、同じくクール・ファイブの元メンバーである小林正樹氏と共にコーラスを担当したことが挙げられます。この楽曲は「後川清とホット・ファィブ」名義でCDがリリースされています。

主な出演

映画
『恐怖のヤッちゃん』（1987年） - 井上久 役
テレビ
バラエティー番組
『欽ちゃんのドンとやってみよう!』（1975年～1980年、フジテレビ系） - レギュラー
テレビドラマ
* 『タリオ 復讐代行の2人』第2話（2020年10月16日、NHK総合・NHK BS4K） - 陽出教教祖 役

内山田洋とクール・ファイブの一員として、そしてソロアーティストやスナック経営者として、多岐にわたる活動を続けています。

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