宮津城

宮津城の歴史

宮津城は、丹後国与謝郡宮津（現在の京都府宮津市）に存在した日本の城です。その立地から、海城として知られ、現存していれば日本を代表する海城の一つとされていたでしょう。

前史

古代より丹後の中心地であった宮津は、一色氏の本拠地として、周辺に多くの支城や砦が築かれていました。1579年、織田信長の命により、細川藤孝と明智光秀が丹後国を侵略し、一色氏を滅亡させます。その功績により、細川藤孝には丹後国が、明智光秀には丹波国が与えられました。

当初、細川藤孝は一色氏の城であった宮津八幡山城を改修し、本拠地としましたが、信長の命により、光秀の指示を受け、海岸に新たな城を築くことになります。これが宮津城の始まりです。

細川藤孝は宮津城を築き、丹後経営の中心としました。しかし、1582年の本能寺の変で明智光秀が謀反を起こすと、藤孝は明智家との関係を断つため出家し、幽斎と号して田辺城に隠居しました。宮津城は、その後、幽斎の息子である忠興の居城となります。

1600年の関ヶ原の戦い前夜、忠興が会津征伐に出陣している間に、石田三成が徳川家康の打倒を宣言。細川家は徳川方に味方したため、丹後細川領は西軍の攻撃を受けることになります。留守を守る幽斎は宮津城を放棄し、焼き払った後、田辺城に籠城し、勅命により開城しました。

関ヶ原の戦いの後、細川家は豊前国に転封となりました。

江戸時代

関ヶ原の戦いの功績により、京極高知が丹後国一国12万3千石を拝領し、入封しました。高知は、晩年に丹後の中心を舞鶴から宮津城に移し、丹後藩京極家の本拠地として、大規模な改修を行いました。また、港湾を整備し、北前船の寄港地として政治経済の中心として栄えました。

高知は、晩年に丹後藩を3分割し、宮津藩、田辺藩、峰山藩を創設しました。宮津藩主となった京極高広は、さらに宮津城を大規模に改修し、本丸に七基の二重櫓を上げるなど、近世城郭として宮津城を作り直しました。ただし、田辺藩や峰山藩は、当初、宮津藩の内部分家であり、独立した藩ではないという見方もあります。

京極家は3代目の京極高国の時代に改易されましたが、名門であったため、子孫は高家に取り立てられました。その後、宮津城は、徳川幕府の譜代大名である永井家、阿部家、奥平家、青山家と城主が目まぐるしく替わりました。1758年、松平資昌が7万7千石で入封し、以降、7代にわたって松平家が続き、明治維新を迎えることになります。

城郭

現在の宮津城は、土中に埋もれてしまい、その姿を直接見ることはできません。しかし、宮津市立宮津小学校には、馬場先御門の太鼓門が残っています。

2004年の台風による大手川の河川改修を機に、城壁の復元が開始され、2010年に完成しました。合わせて、太鼓門も宮津小学校の裏門から正門に移築されています。また、与謝野町の愛宕神社拝殿は、宮津城内にあった殿舎の玄関を移築した唐破風の建物です。

遺構

石垣
太鼓門
大手川沿いの城壁（近年の再建）
御殿の玄関（与謝野町の神社に移築）
東側、南東側の外堀

関連建造物

武家屋敷跡 - 公園内には細川ガラシャ像が建てられています。

交通

京都丹後鉄道宮津駅下車、徒歩10分

脚注

特になし

関連項目

日本の城一覧
一色氏
細川幽斎
京極高知
海城

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