京極高国

京極高国：丹後宮津藩主の栄枯盛衰

京極高国は、江戸時代前期に丹後国宮津藩の藩主を務めた大名です。従四位下侍従、丹後守に叙任されました。元和2年(1616年)、2代藩主・京極高広の長男として誕生しました。承応3年(1654年)、父の隠居に伴い家督を相続し、3代藩主となります。

しかしながら、高国の治世は平穏とは程遠いものでした。隠居した父・高広が藩政に干渉し、父子間の対立が深まりました。さらに、高国自身も寛文元年(1661年)には年貢未納の村を廃村にするなど、厳しい政治を行ったとされています。その結果、寛文6年(1666年)、親子間の不和と悪政を理由に幕府から改易処分を受けました。陸奥国盛岡藩主・南部重信の預かりとなり、3000俵の扶持を与えられました。高広は京都で蟄居しました。

改易の際、家臣の一部は宮津城の明け渡しに抵抗し、籠城して幕府軍と対峙しようともしましたが、高国の説得により開城に至りました。高国は延宝3年(1675年)に60歳で亡くなりました。

高国の子孫は旗本となり、室町時代からの名家であったことから、高家として認められました。高国の正室は伊達政宗の四女であり、この縁から、仙台藩における伊達騒動の際には、高国自身も伊達氏の存続に尽力したと伝えられています。

改易後、高国の嫡男である京極高規を始めとする兄弟は、それぞれ親族の庇護を受けました。高規は伊勢国津藩の藤堂家に、高甫は祖母の縁故である因幡鳥取藩の池田家に、五男の高林は宇和島藩の伊達家に預けられました。赦免後は、仙台藩の飛び地領で生活し、後に京極姓を名乗り直しました。高林は兄の高規の養子となり、幕臣となりました。

高国の弟、京極高勝も連座して逼塞処分を受けましたが、翌年には赦免され、寄合に列しました。高勝は養嗣子に京極高金を迎えましたが、高金の代に京極家は断絶しました。高金の妻は伊予吉田藩主・伊達宗純の養女で、ここでも伊達氏との繋がりが見られます。

京極高国とその子孫は、改易という大きな苦難を経験しながらも、伊達氏との深い縁と、各家臣や親族の支援によって、存続と再興を遂げました。その生涯と子孫たちの物語は、江戸時代の大名家の栄枯盛衰を象徴する、ドラマチックな歴史として記憶されています。彼らの生き様は、時代背景や複雑な人間関係、そして運命のいたずらによって翻弄される、力強い物語として現代に語り継がれています。

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