宮田典計

宮田 典計（みやた のりかず）

1954年9月27日に兵庫県で生まれた宮田典計氏は、元プロ野球選手（投手）です。社会人野球時代は、1974年まで宮田真という登録名を使用していました。

地元の社高校を卒業後、社会人野球の強豪である鐘淵化学に入社します。当初はチームの主力投手である光内数喜氏の控えという立場でしたが、1974年頃からその才能を開花させ始めます。同年の社会人野球日本選手権では、初戦で西濃運輸打線を無失点に抑える完封勝利を挙げ、続く2回戦でも日立製作所を相手に好投を見せましたが、残念ながら後を受けた投手が打ち込まれてチームは敗退しました。しかし、その活躍は高く評価され、この大会の優秀選手賞を獲得しています。

翌1975年には、チームのエースとしてさらに飛躍を遂げます。再び出場した社会人野球日本選手権では、出場した4試合すべてに先発マウンドに上がり、うち2試合で相手打線を完封する圧巻の投球を見せ、チームを決勝へと導きました。決勝戦では、北海道拓殖銀行の山口敏男氏、千藤和久氏という好投手を相手に投げ勝ち、見事に完封勝利を収めます。この歴史的な勝利によって鐘淵化学は大会初優勝を飾り、宮田氏はその最大の功労者として最高殊勲選手賞を受賞しました。

社会人野球での目覚ましい活躍が評価され、1975年のプロ野球ドラフト会議において、阪神タイガースから3位指名を受け、プロの世界への扉を開きました。背番号は「27」を与えられました。

プロ入り1年目の1976年から早くも一軍のマウンドを踏み、1976年10月19日に阪神甲子園球場で行われたヤクルトスワローズ戦で救援投手としてプロ初登板を果たしました。その後、プロ入り3年目の1978年9月27日、ナゴヤ球場での中日ドラゴンズ戦でついにプロ入り初先発、そして念願のプロ初勝利を挙げましたが、皮肉なことにこれが宮田氏にとってプロ野球人生で唯一の白星となりました。

また、現役時代の特筆すべきエピソードとして、1980年11月16日に行われた読売ジャイアンツとの秋季オープン戦で、当時巨人の王貞治氏に現役最後となる通算868本目の本塁打を献上した投手としても知られています。

1981年のシーズン途中に、金銭トレードによって阪急ブレーブスへ移籍しました。この際の背番号は「56」に変更されました。しかし、残念ながら阪急移籍後も目立った活躍はできず、1984年7月からは選手としての登録を離れ、チームを支える打撃投手へと転向しました。打撃投手としては、後にメジャーリーグでも活躍するイチロー氏の練習相手を務めた経験も持っています。

2001年からはユニフォームを脱ぎ、オリックス球団のフロント入りを果たしました。フロントでは査定担当などを務めた後、2013年7月からは神戸と大阪にある選手合宿所「青濤館」の寮長を務め、若手選手の育成環境を支える重要な役割を担いました。その後、2021年の3月をもって長年勤めたオリックス球団を退職しました。

球団退職後の2021年9月14日には、日本学生野球協会より学生野球資格を回復したことが公示され、アマチュア野球の指導が可能となりました。

選手としては、およそ140km/h前後のストレートと、鋭く縦に割れるカーブを武器とする投手でした。記録としては、ウエスタン・リーグ公式戦において、1試合での最多与死球数（4個）を記録したことがあります。

プロ野球での背番号は、阪神時代が「27」（1976年 - 1981年途中）、阪急時代が「56」（1981年途中 - 1984年）。打撃投手転向後はオリックスで「88」（1985年 - 1988年）、その後「103」（1989年 - 2000年）を着用しました。

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