MAPPA

株式会社MAPPAについて

日本のアニメ界において、株式会社MAPPA（マッパ）は特別な存在です。2011年に設立され、社名は「Maruyama Animation Produce Project Association」の略であり、アニメ制作における独自のアプローチと多様なクリエイティビティで知られています。

設立背景

MAPPAは、アニメプロデューサーの丸山正雄が2011年に設立しました。彼は、以前在籍していたマッドハウスからの退職後、片渕須直監督の作品『この世界の片隅に』の制作に尽力し、そのためにMAPPAを立ち上げました。設立当初、このスタジオには作品制作に強い情熱を持つ人材が集まりました。この作品は、資金調達の難航など多くの困難を乗り越え、最終的には日本国内での成功を収め、観客動員数210万人、興行収入27億円を超える大ヒットとなりました。

経営体制の変遷

2016年には、創業者の丸山が会長に就任し、新たなスタジオM2を設立しました。これに伴い、MAPPAの経営は大塚学が引き継ぎました。大塚体制以降、MAPPAは多作傾向へと転じ、より多くのクリエイターに外注しながら質の高いアニメーションを提供しています。特に、劇場版『呪術廻戦 0』は、977万人以上を動員し、興行収入137億円を突破する等、国内外での評価を高めています。

制作スタイル

MAPPAの制作スタイルは、アニメの「面白さ」を重視することが特徴です。「面白ければ何でも良い」という基本理念を掲げており、プロデューサーや監督が「やってみたい」と本気で思える作品に取り組むことが重要視されています。また、設立当初からのスタンスとして、外部のクリエイターや専門スタジオに作業を依頼し、様々な作品に対応できる柔軟性を持っています。作画とCGを融合させた新しい技術や手法を取り入れ、特に3D技術の使用にも積極的に取り組んでいます。

労働環境と雇用方針

近年、アニメ業界全体での労働環境の改善が求められる中、MAPPAは「業界の問題に目を背けない」という方針を掲げています。大塚の経営のもと、外注や専業のフリーランスと連携しながら制作本数を増やしつつ、生産性を高める取り組みを行っています。契約アニメーターを主とし、2022年時点では300人以上のスタッフが在籍しており、将来的には完全な内製体制を目指しています。特に仙台スタジオでは、デジタル技術の導入を進め、アニメ制作の全工程を一貫して社内で行う体制を構築しようとしています。

主な作品と貢献

MAPPAは、数々の人気作品を手がけており、代表作には『呪術廻戦』『チェンソーマン』『この世界の片隅に』などがあります。これらの作品は、国内外で高い評価を受け、多くのファンを魅了しています。さらには、制作委員会方式を脱し、自社出資での制作にも挑戦するなど、ビジネス面でも新しい試みを続けています。

まとめ

株式会社MAPPAは、アニメ業界において独自の存在感を放っています。作品の質の向上に努めると同時に、クリエイターとスタッフの労働環境の改善にも力を入れており、これからのアニメ制作において今後も重要な役割を果たすことが期待されています。

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