宿院停留場

宿院停留場

概要

宿院停留場（しゅくいんていりゅうじょう）は、大阪府堺市堺区に位置する阪堺電気軌道阪堺線の停留場です。駅番号はHN23が付与されています。この停留場は、堺の主要な通りである大道筋と、広幅員の道路であるフェニックス通り（国道26号）が交わる宿院交差点付近、大道筋の中央部に立地しています。停留場の名称は、すぐ南東に位置する歴史ある神社「宿院頓宮」に由来しており、地域のランドマークにちなんだ名前が付けられています。

構造

停留場の構造は、大道筋の中央部に設けられた単式のホームが、宿院交差点を挟む形で互い違いに配置される「千鳥式」を採用しています。これは、交差点上での乗降を避け、安全性を確保するための一般的な方式です。浜寺駅前方面へ向かうホームは宿院町東1丁側に、恵美須町方面へ向かうホームは大町東1丁側にそれぞれ独立して設置されています。かつて、宿院停留場は堺市内における阪堺線の重要な拠点停留場とされており、交差点の南西側には定期券の発売所も設けられていました。しかし、現在では他の堺市内にある停留場と同様の扱いに変更されています。近年、利用環境の向上のため大規模な改修が行われました。特に2015年度中に実施された工事では、ホームの位置が変更され（浜寺駅前方面が従来の場所から宿院町側へ、恵美須町方面が宿院町側から大町側へ）、停留場の全体的な拡幅も行われました。この改修の際、デザイン面でも特筆すべき点として、かつて宿院停留場から分岐していた大浜線が結んでいた大浜公園にあった「潮湯」という、堺の歴史に関わる建物のデザインが停留場の屋根に模倣されて取り入れられました。これは、地域の歴史と公共交通機関を結びつける意欲的な試みと言えます。停留場の移設を含むこれらの改良工事は、2016年（平成28年）1月31日に完了し、供用が開始されました。

歴史

宿院停留場は、1912年（明治45年）3月5日に阪堺電気軌道によって開設されました。これは、恵美須町と市ノ町（現在の大小路停留場付近）の間で先行開業していた阪堺線が、さらに少林寺橋（現在の御陵前停留場）まで延伸された際に新設された停留場の一つです。開業から間もない同年4月1日には、宿院停留場から分岐して大浜海岸（現在の大浜公園周辺）を結ぶ大浜線が開業し、当停留場は阪堺線と大浜線の接続点としても機能するようになりました。その後、阪堺電気軌道の経営体制は時代の波に洗われます。1915年（大正4年）6月21日には阪堺電気軌道が南海鉄道に合併され、宿院停留場は南海鉄道の所属となります。第二次世界大戦中の1944年（昭和19年）6月1日には、さらに会社合併が進み近畿日本鉄道の駅となった時期もありました。終戦後の1947年（昭和22年）6月1日には路線の譲渡が行われ、再び南海電気鉄道の駅に戻ります。一方、大浜線は1945年（昭和20年）の堺大空襲によって壊滅的な被害を受け、運行が不可能となりました。戦後も復旧には至らず、1949年（昭和24年）3月3日には休止扱いとなります。そして、休止から長い年月が経過した1980年（昭和55年）に、大浜線は正式に廃止されました。同じ1980年の12月1日には、南海電気鉄道から阪堺線が再び阪堺電気軌道へ譲渡され、宿院停留場は現在に至るまで阪堺電気軌道の停留場として運営されています。前述の通り、近年では2016年（平成28年）1月31日に停留場の移設を含む大規模な改良工事が完了し、 modern な停留場として生まれ変わりました。

周辺

停留場周辺には、南海バスの「宿院」バス停留所が複数設置されており、阪堺線との乗り換え地点として機能しています。このバス停留所からは、堺市内の主要な駅（堺駅、堺東駅、三国ヶ丘駅、中もず駅など）や、郊外地域を結ぶ多数のバス路線が運行されており、公共交通を利用した移動の利便性が高いエリアと言えます。

隣の停留場

阪堺電気軌道阪堺線における、宿院停留場に隣接する停留場は以下の通りです。

大小路停留場 (HN22) - 宿院停留場 (HN23) - 寺地町停留場 (HN24)

関連項目

* 日本の鉄道駅一覧

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