寂しき4番街 (Positively 4th Street): ボブ・ディランの転換期を象徴する一曲
ボブ・ディランが
1965年に発表した
シングル「寂しき4番街」(旧邦題: 淋しき街角、Positively 4th Street)は、彼の音楽キャリアにおいて重要な意味を持つ楽曲です。
Billboard Hot 100で7位、全英
シングル・チャートで8位を記録し、商業的な成功を収めました。
楽曲の背景と特徴
この曲は、
1965年7月29日にアルバム『追憶のハイウェイ61』(Highway 61 Revisited) と同じレコーディング・セッションで録音されました。
アル・クーパー(
オルガン)、
マイク・ブルームフィールド(
ギター)といった豪華なミュージシャンが参加していますが、当初アルバムには収録されず、
シングルとしてリリースされました。B面は「ビュイック6型の想い出」です。
「寂しき4番街」は、歌詞の内容から、ディランが旧来のフォークファンに向けて決別を宣言した楽曲であると解釈されています。彼はフォークの枠にとどまらず、ロックやブルースなど、より多様な音楽性を取り入れようとしていました。この曲は、その転換期における彼の心情を反映していると言えるでしょう。
音楽雑誌『
ローリング・ストーン』誌が2004年に選出した「500 Greatest Songs of All Time」では、203位にランクインしており、この曲の音楽史における重要性を示しています。
収録アルバム
「寂しき4番街」は、以下のアルバムに収録されています。
『
ボブ・ディランのグレーテスト・ヒット』(Bob Dylan's Greatest Hits) (
1967年)
『バイオグラフ』(Biograph) (
1985年)
* 『
エッセンシャル・ボブ・ディラン』(The Essential Bob Dylan) (
2000年)
まとめ
「寂しき4番街」は、
ボブ・ディランの音楽的な変遷を示す重要な作品であり、彼の代表曲の一つとして広く知られています。歌詞に込められたメッセージ、印象的なメロディー、そして豪華なミュージシャンによる演奏が、この曲を時代を超えて愛される名曲にしています。フォークからロックへの転換期におけるディランの葛藤と決意が込められた、聴き応えのある一曲です。