アル・クーパー

アル・クーパー：音楽の探求者

アル・クーパー（Al Kooper, 1944年2月5日 - ）は、アメリカ合衆国の作曲家、ミュージシャン、そして音楽プロデューサーとして、その多彩な才能を発揮し続けています。本名アラン・ピーター・クーパーシュミットとしてニューヨークのブルックリン区で生まれた彼は、音楽一家で育ち、幼い頃から音楽に親しみました。

若き日の才能開花

クイーンズ区ホリス・ヒルズで育ったクーパーは、独学でピアノとギターを習得し、1959年にロイヤル・ティーンズにギタリストとして加入し、プロとしてのキャリアをスタートさせました。その後、ソングライターとしても活動を開始し、1965年にはボブ・ブラス、アーウィン・レヴィンとの共作「恋のダイアモンド・リング」がゲイリー・ルイス&ザ・プレイボーイズのデビュー曲として全米1位を獲得し、その才能を広く知らしめました。

ボブ・ディランとの出会い

同年6月、ボブ・ディランのアルバム『追憶のハイウェイ61』のレコーディングを見学した際、マイク・ブルームフィールドと出会います。翌日、「ライク・ア・ローリング・ストーン」の録音に飛び入りで参加し、即興でオルガン演奏を披露。このセッションが、彼のキャリアにおける重要なターニングポイントとなりました。

ブルース・プロジェクトとブラッド・スウェット・アンド・ティアーズ

1965年後半には、ブルース・プロジェクトに加入し、オルガン奏者として、またリード・ボーカリストとしても活躍。1967年には、ブラッド・スウェット・アンド・ティアーズ（BST）を結成し、音楽的な実験を重ねました。

ソロ活動とプロデューサーとしての成功

1968年にBSTを脱退後、ソロアーティストとしての活動を開始。マイク・ブルームフィールド、スティーヴン・スティルスとの共作アルバム『スーパー・セッション』を発表し、高い評価を得ました。その後も、数々のソロアルバムを発表する傍ら、プロデューサーとしても手腕を発揮。1972年にはMCAレコードのサブレーベル「サウンズ・オブ・ザ・サウス」を設立し、レーナード・スキナードを世に送り出すなど、サザン・ロック・ブームの一翼を担いました。

その後の活動

1980年代以降は寡作となりますが、2003年には初の日本公演を行い、2005年には11年ぶりの新作『ブラック・コーヒー』を発表。2016年には、NHKスペシャル「ボブ・ディラン ノーベル賞詩人 魔法の言葉」に出演するなど、その存在感は今もなお色褪せていません。

アル・クーパーは、その多岐にわたる音楽性と才能で、アメリカ音楽史に確かな足跡を残しました。彼の音楽は、世代を超えて多くの人々に愛され続けています。

ディスコグラフィー（一部）

『アイ・スタンド・アローン』 - I Stand Alone（1969年）
『スーパー・セッション』 - Super Session（1968年）
『ブラック・コーヒー』 - Black Coffee（2005年）

来日公演

2003年
2005年
2007年
* 2009年

もう一度検索