密東線

密東線（みつとうせん）

密東線は、中華人民共和国の中国国鉄が運営する鉄道路線です。黒竜江省鶏西市密山市の密山駅と、同省虎林市の東方紅駅を結んでいます。全長163.8kmのこの路線は、地域の重要な交通インフラとしての役割を担っています。

歴史

密東線の歴史は、1936年に林密線の延伸区間として、密山 - 虎頭間が着工されたことに始まります。翌1937年12月1日に開業しましたが、第二次世界大戦終結後の1946年、ソ連軍が中国東北部から撤退する際、中ソ国境100km圏内にあった旧日本軍が建設した工場や鉄道は、全て解体・接収されることになりました。このため、一時的に鉄道網が失われることになりました。

その後、中華人民共和国成立後の1958年7月25日に、密山駅から虎林鎮に至る101kmの区間が再開通しました。さらに同年12月29日には迎春鎮まで、1962年5月には終点の東方紅駅まで延伸されました。1965年9月1日にはハルビン鉄路局の直轄となり、国鉄Ⅲ級路線に指定されました。

1975年以降、路線の最高速度は密山 - 虎林間が50km/h、虎林 - 東方紅間が45km/hと定められ、現在もこの制限速度が維持されています。

特筆すべき点として、日本軍が建設した虎林 - 虎頭間の鉄道は、現在に至るまで復活していません。この区間には、黒嘴子駅（現：虎林鎮）、仙鶴駅、清和駅、水克駅、月牙駅、完達駅、虎林駅（現：虎頭鎮）の7駅が存在していました。

接続路線

* 密山駅：林密線

路線状況

密東線は、黒竜江省の東部地域を東西に結ぶ重要な鉄道路線であり、地域住民の移動手段として、また貨物輸送の役割を担っています。路線の最高速度は、開業当時の制限速度がそのまま適用されている区間があるなど、現代的な高速鉄道網とは異なる状況が見られます。しかし、地域の経済活動や人々の生活を支える重要なインフラであることに変わりはありません。

今後の展望

密東線は、過去の歴史的な経緯や、路線の維持に関する課題を抱えながらも、地域の発展に貢献しています。今後の近代化や改修工事などによって、より安全で効率的な鉄道輸送が実現されることが期待されます。特に、未だに復活していない虎林 - 虎頭間の路線の再建は、地域経済の活性化に大きく貢献する可能性があります。

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