富士ガリバー王国

富士ガリバー王国：幻のテーマパーク

富士ガリバー王国は、かつて山梨県西八代郡上九一色村（現在の南都留郡富士河口湖町）に存在したアミューズメントエコロジーテーマパークです。1997年に開園し、2001年に閉鎖されました。

概要

おとぎ話「ガリバー旅行記」をモチーフにしたテーマパークで、広大な敷地（約37万平方メートル）には、全長45メートルの巨大なガリバー像が横たわる「ガリバー島」を中心に、ワラビーやトナカイと触れ合える牧場、ボブスレーコースなどが設けられていました。

このテーマパークは、新潟中央銀行の頭取であった大森龍太郎が主導したゴールデンリング構想という3大融資プロジェクトの一つとして誕生しました。他の二つは新潟ロシア村と柏崎トルコ文化村です。

しかし、開園当初から、近隣にオウム真理教の施設があったことによる風評被害、公共交通機関でのアクセスの悪さ、富士急ハイランドとの競合など、さまざまな要因が重なり、来場者数は伸び悩みました。

経営破綻と閉鎖

1999年10月には、経営母体であった新潟中央銀行が経営破綻し、預金保険機構の管理下に入ったことで、新規融資が打ち切られました。これにより、富士ガリバー王国は経営難に陥り、2001年10月28日をもって閉鎖されました。

閉鎖後、跡地は廃墟となり、心霊スポットとしても噂されるようになりました。2005年には、ホラービデオのロケ地としても使用されています。

跡地の変遷

2002年11月に行われた競売で、大阪市の企業が跡地を落札。2004年にはドッグランとして一時的に営業を再開しましたが、翌年には再び閉鎖されました。

その後、不動産会社が跡地を買収し、大型リゾートホテルの建設を計画しましたが、同社が倒産したため、計画は頓挫。ゴルフ場とホテルは別の会社に買収され営業を継続していますが、ガリバー王国跡地の再利用策は未だ不透明な状況です。

現在

富士ガリバー王国の跡地は、現在も手付かずのまま残されており、当時の面影を偲ぶことができます。しかし、老朽化が進み、危険な状態になっている箇所もあるため、立ち入りは推奨されていません。

幻となったテーマパーク、富士ガリバー王国。その栄枯盛衰は、バブル崩壊後の地方経済の厳しさを物語るものとして、記憶されています。

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