富士フイルムビジネスイノベーション

富士フイルムビジネスイノベーション株式会社：ドキュメントソリューションをリードする企業

富士フイルムビジネスイノベーション株式会社は、日本を代表するドキュメントソリューション企業です。東京都港区に本社を置く同社は、かつて富士ゼロックス株式会社として知られており、2021年4月に現在の社名に変更されました。

富士フイルムとゼロックスの合弁から独立へ

1962年、富士写真フイルム株式会社（現・富士フイルムホールディングス）とゼロックス社の合弁会社として設立されました。当初はアジア地域を主要市場として、複写機やレーザープリンターの製造・販売を開始。その後、ゼロックス社のゼログラフィ技術の特許期限切れ後は、キヤノンやリコーなどの競合他社との激しい競争を繰り広げながらも、高速機や大型機市場での優位性を維持し、コピー・プリント枚数シェアでは国内トップを維持しました。

2001年にはゼロックス社が保有する株式の半数を富士写真フイルムに売却し、富士フイルムグループの一員となりました。その後、2018年には富士フイルムホールディングスによるゼロックス社の買収が発表されましたが、株主の反発により頓挫。最終的に2019年、富士フイルムホールディングスはゼロックス社の株式を買い取り、完全子会社化しました。そして2021年、ゼロックスとのブランド使用契約を終了し、「富士フイルムビジネスイノベーション」に社名変更、独自ブランドでの事業展開を開始しました。

多様な製品とサービス

同社は、複合機、レーザープリンター、オンデマンドパブリッシングシステムなど幅広い製品を展開しています。主力製品であるApeosシリーズをはじめ、DocuCentre、DocuPrintなど、かつての富士ゼロックスブランド製品も継承。 他社へのプリンターエンジンの供給も行い、業界に広く貢献しています。

これに加え、ドキュメント管理ソフトウェア「DocuWorks」、Webベースの情報共有ソフトウェア「DocuShare」、統合情報管理システム「ArcSuite」などのソフトウェア製品も提供。さらに、ウイルス対策やファイアウォールなどのネットワークサービス、ネットプリントサービス、クラウドサービス「SkyDesk」など、企業の業務効率化を支援する多様なサービスを提供しています。

グローバルな展開

販売拠点はオーストラリア、ニュージーランド、アジア、東南アジアなど世界各国に広がっています。中国、韓国、台湾、タイ、インドネシア、シンガポール、フィリピン、ベトナム、マレーシアといったアジア地域では特に強い存在感を示しています。ゼロックスとの提携解消後は、欧米市場への参入も加速させています。

研究開発と生産拠点

同社は、横浜みなとみらい事業所、中井事業所など、国内に複数の研究開発拠点を設置。中国、タイなど海外にも開発・生産拠点やリサイクル拠点を展開し、グローバルな研究開発体制を構築しています。

企業文化と社会貢献

1970年代のCMキャッチコピー「モーレツからビューティフルへ」は、高度経済成長期における社会風潮へのアンチテーゼとして、現在も語り継がれています。また、同社は、「四次元ポケットPROJECT」など、革新的な技術開発に取り組むことで社会への貢献を目指しています。

まとめ

富士フイルムビジネスイノベーション株式会社は、長年にわたる技術力と豊富な経験に基づき、ドキュメントソリューション分野をリードする企業です。ゼロックスとの関係解消を経て、新たなステージに立つ同社の今後の動向に注目が集まります。

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