富士フイルム西麻布ビル

富士フイルム西麻布ビルの概要

富士フイルム西麻布ビル（ふじフイルムにしあざぶビル）は、東京都港区西麻布に位置する高層オフィスビルである。首都高速高樹町ランプの近くにあり、周囲の商業エリアに溶け込んだ存在感を持つ。このビルは、2007年まで「富士フイルム東京本社ビル」として利用されており、富士フイルムが本社機能をここに置いていた。現在も富士フイルムの一部部署や関連する販売子会社が入居している。

歴史

本ビルは、六本木通りと骨董通りが交差する高樹町交差点の北側に立地しており、商業地域と住居エリアの境界に位置している。建設当初は周囲に高層ビルが存在しなかったため、通りからは遠くからでも目に留まるランドマーク的な存在だった。また、六本木通り上を通過する高架構造の首都高速道路からも、その独特な形状が視認可能である。

2007年1月には、富士フイルムとその関連会社である富士フイルムホールディングス、富士ゼロックス（現：富士フイルムビジネスイノベーション）の本社機能が東京ミッドタウンに移転したが、それ以降もこのビルには富士フイルムの複数の部署が残り、さらには関連する販売子会社がオフィスを構えている。

建築デザイン

富士フイルム西麻布ビルの外観は、写真フィルムをイメージした色合いの熱線吸収ガラスカーテンウォールが特徴的であり、両端にはコンクリートの塔状部分が立ち上がっている。このビルは八角形の水平断面を持ち、前面道路との交差点に合わせた扁平な形状が印象的だ。両端部には階段が配置され、中央部分には6基のエレベーターが設けられている。

構造は、1階以下が鉄骨鉄筋コンクリートで、2階以上は鉄骨構造となっている点も注目に値する。また、この八角形の平面に合わせた設計には、当時の建築技術としては珍しい丸型鋼管パイプが使用されていることも一つの特徴である。これにより、外観だけでなく、内部構造にも独自性がある。

このビルは、1971年に第12回BCS賞を受賞しており、建築業界からも高く評価されている。その独特なデザインと先進的な設計が、現代においても多くの人々に興味を持たれている要因となっている。富士フイルム西麻布ビルは、企業の象徴としてだけでなく、地域の景観に寄与する存在でもある。

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