骨董通り

骨董通りとは

骨董通りは、東京都港区南青山にある、青山通り（国道246号）の南青山五丁目交差点から六本木通り（東京都道412号霞ヶ関渋谷線）の高樹町交差点までを結ぶ通りの通称です。正式には「南町通り」と呼ばれますが、「高樹町通り」という呼び名も存在し、「南青山骨董通り」や「青山骨董通り」とも呼ばれることがあります。この通りは、全線が東京都市計画道路補助第23号線に指定されており、特に南青山五丁目交差点側では、道路の拡幅を目的としたセットバックが進められています。

歴史と変遷

かつては「高樹町通り」や「南町通り」と呼ばれていたこの通りは、都電が走る電車通りでした。また、アンティーク通りという表記も見られることがあります。この通りが「骨董通り」と呼ばれるようになった背景には、太平洋戦争（大東亜戦争）を挟む戦前戦後にかけて、通り沿いに根津美術館（1941年開設）や小原流会館（1975年竣工）、多くの骨董品店が集まるようになったことが挙げられます。1980年代頃から自然発生的に「骨董通り」という愛称が使われるようになり、古美術鑑定家の中島誠之助がこの名前を使い始めたことが広まったという説もあります。

現在の骨董通り

現在の骨董通り沿いには、ブティック、オフィスビル、マンション、そして骨董品店などが立ち並んでいます。道路は片側一車線の対面通行で、全線にわたって両側にパーキングメーターが設置されています。電線類の地中化はまだ実施されていません。六本木通り（西麻布・高樹町）と青山通り（青山・表参道）を結ぶバス通りとしても機能しており、かつては渋谷と六本木を結ぶ主要な道路の一つでした。都電6系統が渋谷駅から青山通りを通り、青山六丁目（現在の南青山五丁目交差点）からこの道を通っていたルートは、現在では都営バス渋88系統に引き継がれています。

都市計画と今後の展望

都市計画道路としては、平成28年に公表された東京における都市計画道路の整備方針（第四次事業化計画）において、南青山五丁目交差点から東京都市計画道路補助第5号線と交わる南青山六丁目交差点までの区間が、区施工の優先整備路線に指定されています。この整備は、車道混雑の緩和、自転車の走行と快適な歩行空間の確保、そして広域避難場所として位置づけられている青山学院・実践女子学園一帯への接続を強化することを目的としています。

沿道の主な施設

骨董通り沿いには、以下のような施設があります。

根津美術館
小原流会館
ニッカウヰスキー本社
リノベる本社（リノベる。東京 表参道本社ショールーム併設）
富士フイルム旧本社（本社機能は東京ミッドタウンに移転、一部部署や子会社が入居）
コシノジュンコデザインオフィス
ブルーノート東京（近隣の南青山6丁目に移転）

かつて存在した施設・店舗

過去には、以下の施設や店舗が骨董通りに存在していました。

エヴァンス青山店（ロレックス専門店、2013年に店舗統合で銀座に移転）
ブルーノート東京（1998年11月に現在の南青山6丁目に移転）

その他の骨董通り

東京都中央区の日本橋京橋界隈にも、南北に縦断する通りの通称として「骨董通り」と呼ばれる場所が存在します。

参考文献

「南青山骨董通り」（中央公論社）中島誠之助著、1995年

この通りは、歴史と文化が交錯する魅力的な場所であり、今後もその変化から目が離せません。

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