富士回遊

富士回遊（FUJI EXCURSION）

「富士回遊」は、東日本旅客鉄道（JR東日本）と富士山麓電気鉄道が共同で運行する特別急行列車です。この列車は千葉駅、新宿駅から河口湖駅までを結び、旅客に美しい富士山の風景を楽しむ機会を提供しています。2018年12月14日に運行開始が発表され、2019年のダイヤ改正から正式に運行が始まりました。これは首都圏から富士急行線へ直通する定期特急列車の初の運行であり、大月駅以東では特急「あずさ」や「かいじ」との併結運行が行われています。

概要と運行形態

「富士回遊」は、定期列車として一日4往復の運行を設定しています。出発駅は千葉駅（3号のみ）、新宿駅、大月駅で、各駅を通過しながら富士急行線に入ります。さらに、この列車は富士急行線内の停車駅を「フジサン特急」・「富士山ビュー特急」と同じに設定しています。土休日には臨時列車が増発されることもあり、平日には「フジサン特急」を置き換える形で運行されることも特徴的です。

停車駅は以下の通りです：

• - 千葉駅 → 船橋駅 → 錦糸町駅 → 新宿駅 → 立川駅 → 八王子駅 → 大月駅 → 都留文科大学前駅 → 下吉田駅 → 富士山駅 → 富士急ハイランド駅 → 河口湖駅

使用車両と編成

「富士回遊」では、E353系電車の付属編成が主に使用され、すべての座席は指定席となっています。特急券または座席未指定券が必要で、富士急行線内を利用する際には座席未指定券のみが発券されます。また、富士山駅から河口湖駅の区間では乗車券のみで利用できる仕組みです。臨時列車では、場合によってE257系5500番台を使用することもあります。

過去の臨時快速列車

「富士回遊」が運行を開始するまで、富士急行線直通列車として臨時運転されていた快速列車が存在しました。「ホリデー快速富士山」や「山梨富士」といった列車は、かつて新宿駅や小山駅発で運行されていた優等列車です。これらの列車は富士山の観光ウィークやイベントに合わせて運行されていたもので、特に富士山が世界遺産に登録されたことで名が改称されたものもあります。

歴史と沿革

富士急行線への定期特急列車運行は「富士回遊」が初めてですが、その起源はさかのぼると1934年に新宿駅と富士吉田駅間での臨時列車「高嶺」の運行に始まります。その後、時代を経て様々な臨時列車や急行列車が運行され、時には準急列車に格下げされることもありましたが、観光需要の高まりと共に臨時快速列車が増え、さらに1990年代からは「ホリデー快速むさしの号」などの快速列車が運行されました。

2019年に運行が開始された「富士回遊」は、これまでの経緯を経て、観光客に人気の特急列車として定着しており、今後も多くの利用者に富士山の美しさを伝えていく役割を担っています。今後も新たなダイヤ改正やサービス向上が期待されるでしょう。

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