準急列車

準急列車について

準急列車（じゅんきゅうれっしゃ）は、列車の運行種別の一つで、急行列車よりも多く普通列車よりも少ない停車駅を持つ特徴があります。この種別は、過去に日本国有鉄道（国鉄）で運行され、現在もいくつかの私鉄で見られる運行形態です。

準急列車の定義と英訳

準急列車は「準急行列車」とも称され、日本語では略して準急と呼ばれています。英語では「Semi Express」や略語「Semi-Exp.」が一般的ですが、事業者によっては「LOCAL EXP」など異なる表現もあります。ここでは、準急列車の歴史と運行形態について詳しく説明していきます。

日本国有鉄道での準急列車の歴史

戦前の準急列車

戦前の準急列車は、1926年に東海道本線で初めて運行されました。当時の準急列車は、運賃だけで乗車できる手頃なサービスで、急行列車より速度は劣るものの、それなりの長距離を走ることができました。特に1934年には、観光地への臨時準急列車も増えていきました。

この時期の準急列車は、221・224列車や442・447列車、801・802列車などがあり、観光客向けに利用されていました。特に、観光客需要に応えるために速度が強化され、特急列車並みのスピードでの運行も見られました。

戦後の準急列車

戦後になると、1946年11月に再び準急列車の運行が開始されました。この時から準急料金が設けられ、運転が安定しない時期でも随時復活が試みられました。その後、昭和30年代には、準急料金が必要な優等列車としての地位を確立し、近距離区間で急行列車の補完役として運行されました。

私鉄における現在の準急列車

2022年現在、準急列車は日本の私鉄や地下鉄の一部で運行されています。多くの事業者において、準急列車は停車駅が多く、原則として通過運転を行う優等列車の一種と位置づけられています。西日本の大手私鉄では特に多く設定され、関東の一部私鉄では設定が少ない状況です。

たとえば、東武鉄道の準急は、本線と東上線で運行され、新越谷駅を境に都市側で急行と同じ停車駅、郊外側で各駅に停車する形態を取っています。これにより、通勤・通学客に便利な役割を果たしています。

特別準急とその運行形態

特別準急という異なる列車種別も存在しました。これは、自社線内では特急扱いで運行されるものの、国鉄乗り入れ時には準急として運行される列車です。これにより、つい最近までそのカテゴリの異なる準急が存在していました。

準急列車の廃止と現在の形

1966年、準急列車の運用が見直され、準急行券の販売が制限されました。1968年のダイヤ改正により、残存する準急列車も急行に統合され、国鉄の準急列車は消滅しましたが、今でもその名残が各駅停車や特急としての列車に引き継がれています。現在のJRグループでは、準急という設定は使用されていませんが、各地の私鉄においては、料金不要の優等列車として位置づけられています。

まとめ

準急列車は、急行列車と普通列車の中間的な性格を持ち、便利な交通手段として多くの人々に利用され続けています。特に、都市部の通勤・通学路線において、準急列車が果たす役割は大きいと言えます。今後も便利な交通手段として、その運行形態が進化し続けることでしょう。

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