富士山麓 ALL NIGHT LIVE 2015

長渕剛「富士山麓 ALL NIGHT LIVE 2015」：伝説のオールナイトライブ

2016年2月3日、ユニバーサルミュージックよりリリースされた長渕剛のライブビデオおよびライブアルバム『富士山麓 ALL NIGHT LIVE 2015』。2015年8月22日、富士山麓ふもとっぱら特設ステージにて開催された10万人規模の野外ライブ「100,000 Fuji All Night Live 2015」の模様を完全収録した作品です。

この作品は、ライブビデオとしては『“ARENA TOUR 2014 ALL TIME BEST" Live! one love, one heart』（2014年）以来、ライブアルバムとしては『長渕剛 ALL NIGHT LIVE IN 桜島 04.8.21』（2004年）以来、久しぶりのリリースとなり、長渕剛自らプロデュースを担当しました。

選曲は「巡恋歌」(1978年)といった初期の名曲から、このライブのために制作された「富士の国」(2015年)まで、長渕剛のキャリアを彩る楽曲が網羅されています。その幅広い選曲と、長渕剛の圧倒的な歌唱力、そして10万人の観客が一体となった熱狂は、まさに伝説的なライブと言えるでしょう。

困難を乗り越えた奇跡のライブ

このライブは、決して順風満帆ではありませんでした。開催地である富士山麓は交通の便が悪く、食事やグッズの購入、トイレの使用にも多くの時間がかかりました。開催日が近づくにつれ、チケットの投げ売りや、交通手段の制限といったトラブルも発生しました。ライブ当日も、ヘリコプターの風圧で救護用テントが倒壊する事故や、ゲスト出演者の政治的な発言によるブーイングといったハプニングがありました。さらに、ライブ終了後の移動手段の不足により、観客が長時間炎天下で待機する事態も発生しました。

それでも、長渕剛は1970年代の全日本フォークジャンボリーを参考に、より粗野で、困難な状況でも良いライブになると考えていました。しかし、イベント会社側は最低限の設備を整えることを主張し、長渕剛の提案は一部しか受け入れられませんでした。

圧倒的なパフォーマンスと感動の演出

にもかかわらず、ライブは午後8時38分にヘリコプターで登場した長渕剛の「JAPAN」で幕を開けました。長渕剛の圧倒的な歌唱力と演奏力、そしてバックバンドとの見事な連携は、観客を魅了しました。第一部では「勇次」で締めくくり、第二部では「とんぼ」から始まり、アンコールで「巡恋歌」を熱唱。第三部では、笛吹利明との6年ぶりの共演による「鶴になった父ちゃん」が感動を呼びました。そして、日の出とともに富士山が出現したタイミングで披露された「富士の国」、そして最後の曲「明日へ続く道」で、この歴史的なライブは幕を閉じました。

チャートにおける成功と記録

Blu-ray Disc、DVD、CDの3形態でリリースされた『富士山麓 ALL NIGHT LIVE 2015』は、オリコンチャートで軒並み上位を獲得しました。Blu-ray Disc版は自身初の1位を獲得し、DVD版も3位にランクイン。CD版も5位にランクインし、長渕剛のアルバム総売上枚数は1108万枚を突破しました。男性ソロ歌手部門では、一時3位に後退したものの、5ヶ月ぶりに2位に返り咲く快挙を成し遂げました。

作品概要

このライブアルバム／ライブビデオは、長渕剛の音楽人生、そして彼の人間性を凝縮した作品です。困難を乗り越え、10万人を熱狂させたライブの記録は、音楽史に刻まれるべき、まさに伝説的なものとなっています。Blu-ray DiscとDVDは5枚組、CDは5枚組とDVD1枚組という豪華な仕様でリリースされ、スペシャルドキュメンタリーも収録されています。長渕剛のファンならずとも、必見の作品です。

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