富士火災海上保険

富士火災海上保険株式会社について

富士火災海上保険株式会社は、かつて存在した日本の損害保険会社です。大阪府と東京都に本社を構え、中堅損害保険会社として事業を展開していました。しかし、バブル崩壊後の経営危機に直面し、経営の安定化を図るため、オリックス株式会社とAIGグループからの出資を受け入れました。その後、AIGグループとの関係を深め、最終的にはAIGグループ傘下となり、AIU損害保険株式会社へ吸収合併される形でその歴史を終えました。

経営危機とAIGグループとの連携

2002年、経営危機に瀕していた富士火災海上保険は、オリックスとAIGグループからの出資を受け入れました。しかし、両社ともグループ企業ではなく、あくまで資本提携という形でした。その後、富士火災は財務基盤の強化を、AIGは損害保険事業への資源集中をそれぞれ目指し、AIGグループが第三者割当増資を引き受ける形で、AIGグループの傘下となりました。2010年には、AIG系の損害保険持株会社であるチャーティスのグループ企業となり、AIGグループとの結びつきがさらに強まりました。

2012年11月には、AIGグループがブランドを再活用することを発表し、チャーティスからAIGへとブランドが戻り、AIGグループであることが改めて強調されました。そして、2013年4月には、AIGジャパン・ホールディングス株式会社が日本における保険事業の持株会社として再編され、富士火災はAIGジャパン・ホールディングスの完全子会社となりました。

AIU損害保険への吸収合併と現在

2018年1月、富士火災海上保険はAIU損害保険株式会社に吸収合併され、会社としての歴史を閉じました。AIU損害保険はその後、AIG[[損害保険]]株式会社へと商号を変更し、現在に至ります。この合併により、富士火災のブランドは消滅しましたが、その事業はAIG[[損害保険]]へと引き継がれています。

沿革

1918年（大正7年） - 井上幸治郎が日本簡易火災保険株式会社を設立。
1927年（昭和2年） - 本社ビルを現在の大阪市中央区南船場に移転。
1941年（昭和16年） - 常磐簡易火災保険株式会社を合併。
1949年（昭和24年） - 商号を富士火災海上保険株式会社に変更。
1953年（昭和28年） - 大阪証券取引所に上場。
1961年（昭和36年） - 東京証券取引所に上場。
2002年（平成14年） - オリックス株式会社・AIGグループが資本参加。
2007年（平成19年） - 京都労働局からサービス残業の是正勧告を受ける。
2010年（平成22年）3月31日 - AIG系列であるチャーティスのグループ企業となる。
2010年（平成22年）10月1日 - AIGスター[[生命保険]]と業務提携。
2011年（平成23年）8月3日 - AIG及びチャーティスが100%株式取得。
2013年（平成25年）4月1日 - AIGジャパン・ホールディングスの完全子会社となる。子会社の富士生命保険はAIG富士生命保険に商号変更。
2016年（平成28年）10月1日 - 本店所在地を東京都港区虎ノ門に移転。
2017年（平成29年）4月30日 - AIG富士生命保険の全株式をFWDグループへ譲渡。
2018年（平成30年）1月1日 - AIU損害保険株式会社に吸収合併され解散。AIU損害保険株式会社は商号変更し、AIG[[損害保険]]株式会社となる。

備考

富士火災は、動産三社の一社として知られていました。また、戦後には大和銀行と提携し、同行をメインバンクとしていました。そのため、旧野村財閥系の企業が多い「大輪会」にも参加していました。現在でも、りそな銀行が代理店としてAIG[[損害保険]]の商品を販売しています。

戦前には、東京川崎財閥系の常盤簡易火災保険を吸収合併しています。当時、動産保険会社と普通の保険会社の合併が許可されなかったため、同業の日本簡易火災保険に吸収合併されました。社名の「富士」は、富士銀行や富士信託銀行とは関係がありませんが、各社とも似通った社章を用いていました。

2010年3月頃まで、損害保険業界全体の動向を示す際に「大手損保7社」という表現が用いられていましたが、富士火災もその一社に含まれていました。しかし、2010年4月以降は、業界再編により「3メガ損保」が指標となっています。

提供番組

現在

なし

過去

NNNきょうの出来事（日本テレビ）
いつみても波瀾万丈（日本テレビ系列）
毎日放送制作土曜朝のワイドショー枠
まんが日本昔ばなし（デジタルリマスター版、毎日放送制作・TBS系列）
* 知っとこ!（毎日放送制作・TBS系列）

富士火災は、長年にわたりテレビ番組のスポンサーを務めていました。特に、毎日放送制作の土曜朝のワイドショー枠では、1994年から2005年までスポンサーを務め、その後も「まんが日本昔ばなし」や「知っとこ!」などの番組でスポンサーとして関わっていました。

また、YouTubeを利用した宣伝や、クラシック音楽コンサートへの協賛も行っていました。

この他にも、MBSラジオの番組で映画試写会のスポンサーを務めており、応募はがきに「富士」の文字を書くよう案内されていたのが特徴的でした。

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